三代目❤夢小説 『NAOTO編25』
直人とまりあが式場に到着してすぐに、
臣と隆二の子供が行方不明になっていると聞いた。
普段見せたことのない険しい表情に変化していく直人を見ていると、まりあもいてもたってもいられない気持ちになった。
現地に向かう者と、式場に残るものが振り分けられた。
当事者の臣と隆二を乗せた車が発進した後、まりあが直人の腕を持って言った。
「直人さん‼私も一緒に探します!」
「まりあちゃん、気持ちは嬉しいんだけど、その服装じゃ…」
せっかく綺麗にドレスアップしてもらったが、今はそれどころじゃないことはまりあにもわかる。
「移動中に後ろのシートで着替えますから」
「…まりあちゃん」
「保育園のお友達やお母さんが集まる公園なら、情報収集とか私にも何か出来ることがあるはずです」
「保育園の近くだってなんでわかったの?」
「隆臣くんが三代目のメンバーといる所をよく目撃される公園だって、ファンの中では有名だから」
「…そうなんだね」
同じ車の助手席に直人が座り、後ろでまりあが私服に着替える。
運転席にいるLDH社員がバックミラーで見ないように、前後のシートの間で直人が着ていた礼服のジャケットで目隠ししている。
「そんなに気を使わなくても大丈夫ですよ、直人さん」
「僕も絶対覗いたりしませんから」
社員も真面目な顔をして直人を見ている。
「わかってるけど念のためね」
「まりあちゃん、着替え終わったら合図してね」
「はい」
後ろ手にジャケットを高く掲げているので、流石に腕がプルプルしてきた。
その更に上からまりあの白く透き通った腕がにゅっと出てきて直人の腕を持った。
「終わりました、もういいですよ」
直人は反応して上を見上げた。
肘から下の白くて美しいまりあの腕には、
赤黒く変色した小さなアザが無数にあった。
「え…!?…まりあちゃん、そのアザ、どうしたの?」
まりあが慌てたように腕を引っ込める。
「…ちょっと、転んだだけです」
直人がジャケットを下げて後部座席のまりあを見ると、
着ているTシャツの袖を引っ張って、腕を隠した。
気にはなったが今はそれどころじゃない。
隆臣の無事が確認できたら、また改めてまりあに尋ねてみようと直人は思った。
つづく