MPG スイケン レビュー
2023.07.28 06:53
今回のレビューは、トランスフォーマー マスターピースG より、
“MPGー04 トレインボット スイケン” です。
合体・巨大化・グレートの三つをコンセプトとするマスターピースのサブライン、MPGの第4弾。
“トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ” に登場したサイバトロン、トレインボットの一員、
“原野戦闘員 スイケン” が、
MPGで発売されました。
先日、トリを飾るカエンの予約も解禁され、ついに合体形態であるライデンの全貌も公開されたMPG トレインボット。
・・まぁ、ライデンについてはね、いろいろ思うところありますけれども、それはまた最後、全員揃って実際に合体させたあとにしておきましょう。
というか今年中に合体させられると思ってたのに、カエンの発売来年2月かぁ・・
さて、今回はライデンでは左腕担当のスイケンということなんですが、MPGも4つめということもあり、かなり熟れてきた感はあります。
変形も一部パーツが分離するので、先の3人と比較して易しめになっていたりと、単体で見るぶんには随分と弄りやすくはなったかな。
それでは、早速レビューしていきます。
パッケージ
シリーズ共通サイズの横長パッケージ。
コンパクトで収納もしやすいのでいいですね。
裏面にはいつも通り文字情報もぎっしり。
キャラクターカードももちろん付属。
高架上を進む湘南カラー。
力自慢のはずなのに STRENGTH が3・・?
トレインボット 原野戦闘員 スイケン
地球人に換算すると45歳くらいの経験豊富なベテラン戦士。
メンバーでは最年長ながら、ダイナザウラーを投げ飛ばすほどの怪力の持ち主でもあります(なのにテックスペックでは3・・)。
東海形153系急行列車に変形し、メンバー全員による6両編成時にはリーダーのショウキに続く2両めに連結。
ライデンへの合体では左腕を担当します。
ビークルモード
今回も封入状態であるこちらから。
東海形153系急行列車は、1958年に開発された急行車両。
東海道新幹線開通前に東京~名古屋間を結んでいた準急、 “東海” に採用されたことから東海形の愛称で呼ばれるようになりました。
オレンジと緑のツートンカラーはとくに湘南色として親しまれたようです。
1984年にすべての車両が運用を終了しています。
なお、国鉄の分割民営化以前に運用が終了しているので、今回はとくにどこかに断る必要もなかったのか、MPG トレインボットで唯一商品化許諾(ライセンス取得)が行われていません。
今回ももちろんトミーテックの協力のもと、HOゲージと共通の1/87スケールで細部に至るまで当時の列車の形状、カラーリングが再現されています。
電車といえばこのかたち、というわかりやすいデザイン、レトロな色合い、いいですね。
なるほどチームの最年長らしいモチーフ。
表面のオレンジの部分と屋根のグレーはすべて塗装。緑は成型色だと思います。
例によって細かい傷や塗膜の剥がれ、埃をかんでいる箇所がちらほらありますけど、正直キリがないので目を瞑ります。
同じ在来線に変形するゲツエイのビークルモード(EF65形電気機関車)よりもかなり大型ですね。
しかし本当、MPG トレインボットのビークルモードの出来は素晴らしい。
僕自身とくに列車好きではないんですが、それでも現物を手にするとけっこう興奮してしまいます。
外観は非常に綺麗で変形のためヒンジや分割線などもあまり気にならないのですが、ここだけちょっと歪んでしまいますね。
なかなか水平にできない。惜しいなぁ・・
正面から見える顔はオレンジ一色。
ゲツエイには型番(?)刻印などがありましたが、今回はのっぺらぼうですね。
ライセンスがないからかな。ちょっと寂しいです。
下部にはほかのメンバー連結するためのジョイント(連結器)があります。
後ろ側は逆にドア以外緑一色。
ディティールもかなりあっさりしてますね。
まぁ、それは前からか。
こちらにももちろん下部にジョイントがあります。
今回もディスプレイ用の在来線用レールパーツが付属します。
画像は2つを連結させた状態で、基本的にこの状態で使用します。
乗せてみましょう。
本体の車両とレールパーツで長さはほぼ一緒ですね。というか後ろがはみ出しちゃってる・・
もうちょっとレールに余裕が欲しいかったですね。
なお、レールパーツは別売のTFパワーベースなどのスタンドベースも兼ねていますが、そのパワーベースでのディスプレイの際に使用する専用アタッチメントも付属。
ビークルモードでは底面中央に取り付けます。
いい加減パワーベースの単体販売をしてほしいと思っていたら、まさかモール限定品でセットにされるとは・・
ロボットモード(合体モードでも)への変形では、まず運転席側のパーツを完全に分離させるのですが、この分離したパーツの内側に附属の武器類をすべて収納できます。
なお、変形時にパーツを分離させるのはオリジナルトイも同様です。
まず、ライデン用の武器であるトレインバズーカは先端の付随砲、中央の制御砲、後端の動力砲に3分割。
バズーカ自体については後ほどあらためて紹介します。
そして運転席パーツを開き、付随砲(赤矢印)、バックパックのキャノン砲(青矢印)を収納。
外壁部を閉じて、制御砲(青矢印)と動力砲(赤矢印)も収納。
さらに底面のパネルを閉じ、二つ折りにしたストームレーザー(スイケン用武装)を取り付けて完了です。
ちなみに、ゲツエイ以降、ビークルモード時の車窓再現のためにクリアパーツを使う場合も、ほとんどが二重構造(窓部分のみクリパーツで裏打ち)方式を採用され、クリアパーツに直接軸を打ち込んで可動させるといった構造は水分少なくなったのですが、今回のスイケンではこの分離させるパーツの外壁部分のパーツで直接クリパーツに軸打ちされています。
ここはちょっと気を遣いますね。
ロボットモード
ビークルモード時同様、濃いオレンジと緑のカラーリングがいぶし銀な印象。
ただプロポーション的には今回のMPG化にあたってスリムに調整されていることもあって、とても中年のおじさんとは思えません。
アンコ体型のショウキ、妙にホッソリしているゲツエイ、太腿のむっちり感がちょっと気になるユキカゼと来て、ストレートに均整のとれた今回のスイケン、一番まともなヒーロー体型という感じがします。
腕の後ろにマントのように下がる外壁パーツも格好いいですね。
今回のMPG版トレインボットではおおよそ共通のポイントになっているのもいい。
頭部アップで。
バイザーはクリアパーツで、ちょっとわかりにくいんですが奥には一応ツインアイも造形されています。
集光ギミックはありません。
ヘルメットの右上がすでに塗装剥げてるのが悲しい・・
胸部は左右のパネル状のパーツをスライドして開いた状態にするのですが、とくに固定されないため、
弄っているとこんなふうに気付かないうちに閉じてしまっていることがあります。
後半のポージング画像のところでも、時折閉じてしまっているのはご勘弁を。
背面。
変形時に分離させたパーツがバックパックになるのですが、わりと重さもあるので若干自立が不安定です。
バックパックの変形は今回のオリジナルですが、どうせならビークルの顔が後ろを向くような格好にしてほしかったかな。
完全に裏側ですからね。
なお、もちろんバックパックは取り外すことができるのですが、本体の背中には合体モード時の手が露出しています。
スタイルだけならシンプルになっていい感じなんですけどね。
最悪親指さえなんとかできればよかったんだけど・・できればここには蓋を付けておいてほしかったなぁ。
これはたぶん次のセイザンでも同様の仕様でしょうね。
ちなみにバックパック単体で見るとこんな感じ。
運転席を含む車両の先頭部分を開いて、キャノン砲を付けたものですが、パネル状のパーツを幾重にも折りたたむことで比較的コンパクトにまとまっていると思います。
こちらが裏側・・というか、本体に接する側ですね。
中央にある5㎜軸とその上のダボで固定するのですが、軸が短いこともあってわりと外れやすいですね。
もう少しかっちりと固定できてるようにしてほしかった。
なおこのジョイント部は可動するので、バックパック自体本体に対してある程度の角度付けができるようになっています。
可動性諸々に関して・・
変形にも関わる部分ですが、腕部基部の構造がなかなか複雑で、それが結果的に肩周りの柔軟な可動を実現しています。
横向きで上に動かす場合、こちらが本来の可動ですが、
このように根元から上に跳ね上げることも可能。
前向きでも、
こんなふうに根元からよりダイナミックな動きをつけられます。
というか、前方向のロール軸にかんしては本来の可動軸が硬めなこともあり、そのつもりはなくても根元から動いてしまいがち。
そもそも腕部基部がとくに固定されないので、わりとフラつく感じはあります。
手は人差し指以下の4指が一体で可動。
手の平側には穴があり、附属武器のグリップにあるダボをはめ込むことで固定できるのはこれまで通り。
腕部後ろのマント状の外壁パーツもゲツエイ、ユキカゼと比較するとかなり自由度が高いです。
ウイングっぽい雰囲気にもできますね。
また、合体時の肘可動を利用することで、上半身を右側に倒すことが可能。
脚担当のゲツエイやユキカゼにもあった要素ですが、今回はとくに干渉するものもないためより深く、ほぼ90度曲げることが可能になっています。
というかまぁ、完全に折れてますけどね(笑)。
画角を工夫すればかなりスタイリッシュなポーズを決められますね。
腰部アーマーもフロント(左右)とサイド、
さらにリアもそれぞれ開き、脚部の可動を妨げません。
ただリア部に関しては、脚部自体が後ろ向きには上画像の角度までしか動かせないので、さほど意味はありません。
腰裏には通常3㎜のスタンド対応穴はありますが、そこにビークルモードと共通のパワーベース用アタッチメントを付けることもできます。
足首は二重ヒンジで大きく前後に可動。
つま先も動きますが、左右スイングの範囲は狭め。
つま先だけは独立して回せますが。
変形については先にも言ったようにビークルの前半部分は分離することに加え、本体部分の変形についてもこれまでの3人と較べると随分と優しくなった印象です。
とくに脚部は複数のパネルや車輪パーツの複雑な移動、変形がなく、膝関節をグレーのパネルに決まった角度で固定したのち、外壁を閉じるだけ。
非常にシンプルになりました。
付属武装
ストームレーザー
スイケン単体用の手持ち武装。
名称はほかのメンバー同様、大基のダイアクロン時代のキャラクター名であるストームライナーから。
保持の際はグリップにあるダボを手の平の穴に差しこんで固定するのですが、まぁ外れやすいですね。
トレインバズーカ
先にも登場した、ライデン用の手持ち武装。
スイケン(ほかのメンバーでも)単体時に持つ場合は本来のグリップは倒して、付随砲から展開するグリップを保持し、
肩に担ぐように持たせます。
ライデンが持つぶんにはバズーカというよりライフルですが、単体状態で持つとまさしくバズーカというボリュームです。
分離状態の付随砲、
制御砲もそれぞれ持たせることが可能。
ただし共にグリップにダボがないので固定はされません。
動力砲はグリップが大き過ぎて単体状態では持てませんね。
なおストームレーザー、トレインバズーカ(分離状態)共にロボットモードでは手で持つ以外に収納、マウントはできません。
キャノン砲
バックパックに装備されるキャノン砲。
通常は左側に立てた状態で装備しますが、ジョイント位置を変えて横向きに装備することも可能。
右側にも、高さが変わりますが一応取り付けられます。
さらに前腕にも装着可能。
左右どちらにでも取り付けられます。
合体モード
ライデンへの合体では左腕と、新解釈で左脚に装備するレッグビームに変形します。
まずは本体が変形した左腕を。
わりとスラリと長かった脚と較べると、思いのほかがっしりと太短い印象です。
見ためは、ビークルモードをほぼ半分に折ったような感じですね 。
後ろ側は・・まぁ前側ととくに印象は変わりません。
当然といえば当然ですけど。
ロボットモードですでに見てもらいましたが、ちょうどロボットの腰の位置が肘になり、曲げることが可能。
しかし、内側はロボットの正面部分が丸見えですね。
なお、曲げる際は外装パーツの一部を開きます。
当然、逆方向には曲げられません。