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星を繋ぐ猫達 《第8章25 宴 》

2018.07.26 03:14


暑い日が続きますね。つい先日、岐阜は40度を越え、現在も通常気温が30度を軽く越える毎日です。


画像は、昨年の熊本のイベントで出展した。招き猫作品です。40センチの大きな招き猫作品は、高円寺、猫の額さんにて御覧いただけます。(他、ポストカードやミニ招き猫作品も、絶賛委託販売中ですよ)


では、物語の続きをお楽しみください。


《第8章25 宴》


いよいよ、宴が始まろうとしています。


神楽屋の2階広間は、賑やか、送別会場に、村長達が、挨拶にと駆けつけています。


村長の隣には、松方さんの姿が…


「松方さん、大丈夫だよ。こわがりなさんな」


隣の席で、小さくなる松方さんは、心なしか震えています。


村長が、立ち上がろうとした横を駆け抜け、突然、松方さんが、広間の中央に躍り出たかと思うと、土下座をしたのです。


「す、すまなんだ!本当に申し訳なかったぁっっ!!」


いかつい顔を真っ赤にし、ポロポロと涙が伝います。会場は、騒然となりました。センジュ族長が、長い手足を器用にたたみ、スッと平行移動して、松方さんの前にチョコンと座りました。


「松方さん、顔をおあげなさい」


優しい声をかけます。


「わ、私の先祖達が、あんた方を陥れてしまった…あんた方は、悪くなかった…あの時、先祖が、頻繁にここを訪れなければ…ひどい目にあわせる事は、なかった…本当にすまなんだ…」


松方さんは、顔を下げたまま…


「あなたの先祖が、住んで居たのは、戦に負けた兵士達の隠れ里でしたね…命からがら戦場から逃げ、飢餓状態であった事、戦で沢山の人々を殺めてきたのを知っていましたよ。辛かったろうに…」


「な、なぜ…ご存じなんですか?」


「我々は、千里眼と言う力で、あなた方の素性は視えていたんです。ですから、あの山を、地球人であるあなた方に、返そうと、星へ還る矢先の出来事でした…」


「え?」


「あなた方に、生き延びて頂きたかったのです」


族長は、やさしい声は、静かに響きます。


村長は、すっと目を閉じて、うなずきました。


「松方さん、あなたは、初代の方に、よう似ておられる。会えて良かった。いつも、私の好物をありがとう…」


松方さんは、言い伝えを、しっかり、守っていたのです。鬼を封じると同時に鎮める為に、毎年、祭りの時期になると、栗羊羮とお酒を、こっそり、蔵の前に、お供えしていました。本当の理由なんて知りません。


「わ、私は、ただ、あなた方が恐ろしくて…その、言い伝え通りにしてきただけです…それに…それに…」 


族長は、言葉の先を止め、微笑むと、松方さんの手を握りました。


そして、再び平行移動し、村長達を前にして、深くお辞儀をしました。村長の横には、後から入ってきた、千寿氏、橋渡しメンバー、調査隊、神楽屋スタッフ一同と、猫達が、ずらりと座っています。 

寅次郎博士と猫谷エンジニアが、1歩前に出ると、


「センジュ族長…いえ、センジュ船長。帰還への道程、大変お待たせしました。任務お疲れ様です」


二人は、敬礼します。


「至れり尽くせりの、もてなし感謝いたします」


センジュ族長を始め、カミシロ族達全員、深く深くお辞儀をしました。


「明日の明朝に、マゼラン直通ワームホールが開通します。それまで、ゆっくりお過ごしください。これは、クリエネルの繊維で作ったマントです。ワームホール移動中に急激に環境が変わりますので、着用してください」


猫谷エンジニアが、猫の星から急遽、取り寄せたマントは、猫達が着ているシールドスーツの生地と同じ、あらゆる環境変化に耐える事が、出来ます。


「ほう、これは見事な繊維、かたじけのうございます」


不思議な素材で出来た、キラキラと輝くマントに、みな、大喜びです。一着一着、猫達によって、手渡されていきます。


次に、寅次郎博士が、ポケットから未知太郎(カミオン)からの伝言メモを、取り出しました。


[つづく]


 (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。


物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。


そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)


2019年の7月、幻想の魚の秘密.第6弾を展示決定!お楽しみです。


猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)


※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)


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