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アルミサッシ

2018.07.26 06:32

アルミサッシはアルミニウム合金製のサッシで、加工がしやすいことから広く用いられており、2014年現在日本でシェアの9割を、中国では7割を占めている。一方で、断熱性能が非常に悪いことから、アメリカでは全50州のうち24州で使用が禁止されるなど、他の素材への移行が進んでいる。

日本では高度成長期を境に安価かつ、腐食に強く加工が楽なアルミサッシがほとんどとなった。しかし、冷暖房効率の低下や結露が発生するため、近年では日本でも結露の防止や保温性を重視した樹脂製や屋外側にアルミ、室内側に樹脂を使った複合素材のサッシが使われるようになっている。アルミサッシを外枠と内枠に分け、間に樹脂部品を挟んで断熱性を高めた「熱遮断サッシ」も開発されたが、主流とはならなかった。

アルミニウムの融点は鋼などよりも低く、合金でも700 ℃程度であるため、アルミサッシは火災時に溶けてガラスが抜け落ちる可能性があり、2011年(平成23年)頃には日本国内で流通していた防火アルミサッシの多くが建築基準法で定められた防火性能を満たしていない事が発覚し、サッシメーカー各社は防火アルミサッシの販売を一斉に中止した。複層ガラスの普及に伴い、ガラス自体の結露が減ったため、耐火性能や断熱性能の高さに加え、リサイクル性にも優れている木製サッシの利用も見直されている。

サッシの断熱性能については、省エネ建材等級制度が2008(平成20)年度からスタートし、熱貫流率値2.33 W/m2Kを最高値とした星付けが行われ、熱貫流率の性能値も表示される。

なお、アルミサッシの製造拠点は、YKK AP・三協立山アルミ・旧新日軽(現: LIXIL)が中心的な拠点を置く富山県に集中している傾向がある。これは、アルミ加工に必要な電力が、水力発電により昔から潤沢であったためである。