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菅原 岬|浜松在住ライター

盆踊りもできちゃうコーヒースタンド!?「BON COFFEE」が新川モールにオープン

2023.07.28 10:24

こんにちは。カフェ巡りが生きがいのライター、前田朱里(まえだ あかり)です。普段は浜松市内の大学に通いながら、ライターの菅原 岬さんのアシスタントを務めています。

昭和レトロな喫茶店から、有名なコーヒーチェーン店まで、浜松市には多種多様なお店がそろっています。そんな浜松のまちなかで、2023年6月10日にオープンした「個性派」コーヒースタンドをご存知でしょうか?

その名も「BON COFFEE(ボン コーヒー)」なんと、建物の屋上にのぼって盆踊りができるそうです。


前田「……ウワサによると、こんな外観らしいのですが、次の取材先にどうですか?」

ある日の打ち合わせにて。私は自作のイラストを見せながら、BON COFFEEの取材を提案しました。その時の、菅原さんの戸惑いの表情は忘れられません。


菅原「実際にお店に行って確かめてみましょうか……!」

本記事では、そのような特徴で注目を集めているBON COFFEEについてご紹介します!


本当に屋上で盆踊りができるのか!?さっそくBON COFFEEに行ってみた

浜松市中区田町、遠州鉄道の高架下に設備された「新川モール」にやってきました。新川モールは、遠州鉄道 第一通り駅から鍛治町通りまでの、約100メートルをつなぐ公共スペースです。

第一通り駅のホームを降りて新川モールに向かうと、水色や黄色でポップに彩られた、六角柱の小屋が目を引きました。こちらが、6月10日にオープンしたBON COFFEEです!

そして、「こんにちは!」と小屋の中から挨拶してくださったのは、ほっかむりが印象的な店長、藤森 靖(ふじもり やすし)さんです。

6月10日より、新川モール内で営業しているBON COFFEE。オープン初日のイベントでは、実際に建物を囲んで盆踊りが行われました。

本物の「やぐら」と同じように、屋根の上にのぼって踊る方もいたそうです。まさか、盆踊りのウワサが本当だったとは……!


そんなBON COFFEEの看板メニューは、「セレクトコーヒー」(500円、税込み)。浜松を中心に、全国の焙煎所から仕入れたコーヒー豆を、ハンドドリップで味わうことができます。スタッフの方々が、各地で飲み比べて厳選しているそうです。まさにコーヒーのセレクトショップですね。


コーヒー以外のメニューにも、こだわりが感じられます。

「青空ソーダ」「夕焼けソーダ」「初恋ソーダ」(各500円、税込み)は、「1883メゾンルータン」というブランドのオーガニックシロップを使用しており、すっきりとした甘さが特徴です。

SNS映えするオリジナルカップにもトキメキが止まりませんね。


現在は10種類のドリンクが用意されています。豆の種類など、メニューは随時変更・追加される予定です。受け渡し口が2つ設置されているので、今後はドリンク以外のポップアップストアも出店されるかもしれないとのこと。


今日はどんなコーヒーがあるのか、オススメの豆はどれか。スタッフさんとのコミュニケーションを楽しみながら商品を選ぶお客さんもいらっしゃいます。


「商品のクオリティはもちろんですが、BON COFFEEでは『人とのつながり』が重要だと考えています。新川モールには老若男女さまざまな方が通行するので、ただコーヒーを販売するだけではなく、お客さんとの挨拶や対話が生まれるような接客を心がけています

そう語る藤森さんは、2021年から「Tsuideni coffee(ツイデニコーヒー)」という屋号で、コーヒーの移動販売を行ってきました。2022年9月にBON COFFEEの店長に立候補し、現在は両方のお店でコーヒーに携わっています。藤森さんのイキイキとした表情からは、これまでの経験で培われてきた、おもてなしの心が伝わってくるようでした。


平日のBON COFFEEには、通勤や通学のついでに立ち寄るお客さんも多いそうです。憂鬱な朝でも、笑顔で接客をしてもらえたら、やる気が湧いてきますよね。

「コーヒーもスタッフも好きだからBON COFFEEに行きたい、と思ってもらいたい。みなさんに『愛されちゃう』コーヒースタンドを目指しています


こだわりを持ってセレクトされたコーヒーと、ホスピタリティの高い接客。さらに、盆踊りなどの、大勢で楽しめるユニークなイベント……BON COFFEEには、何度も通いたくなるような「愛されちゃう」ポイントがたくさんあることがわかりました。


地元にゆかりのあるクリエイターとの協業によって生まれた唯一無二の場所

さて、そんな魅力でいっぱいのBON COFFEEですが、遊び心あふれる建物のデザインや、屋上を盆踊りのステージとして活用したりする独自のアイデアは、一体どのような経緯で生まれたのでしょうか。

同店を運営するのは、まちづくり事業や新川モールの指定管理を請け負う、株式会社HACK(ハック)さんです。代表の髙林 健太(たかばやし けんた)さんに、BON COFFEEの誕生秘話をうかがいました。


じつは、コーヒースタンドを開設するアイデアは、2022年4月に新川モールができたころから考案されていたそうです。まちなかを訪れる人がほっと一息つける場を作りたい、と考えていたそう。

コロナ禍以降、「まちなかで盆踊りをやりたい」という周囲の声を聞いたことも、きっかけの1つでした。盆踊りをはじめとして、人々が気軽に交流できるような屋外空間を実現したいという想いを軸に、BON COFFEEプロジェクトが進められていきました。


実際に新川モールに店舗を設置するには「移動できること」が条件だったことから、移動式店舗の開発が始まります。ヤマハ発動機株式会社 クリエイティブ本部の方の積極的な協力によって、「専用の電動自転車で小屋を引っ張る」というアイデアが生まれたそうです。

▲自転車で引っ張るコーヒースタンドのイメージ(前田作)


今後の目標のひとつは、実際に自転車を使って自由に小屋を動かすこと。そのために、パワフルなアシスト自転車の開発が、日々進められています。


店舗のデザインは、浜松で活躍する建築デザイナーの松本 憲(まつもと けん)さん、外壁のペイントやロゴなどのアートワークは、静岡文化芸術大学の卒業生である「chidoripen(チドリペン)」さんが担当しています。

周囲の人々の声からはじまり、地元にゆかりのあるクリエイターの方々と協力して作り上げたからこそ、オリジナリティーあふれるコーヒースタンドが実現したのですね。


「BON COFFEEでの楽しい体験をきっかけとして、まちなかに新しい人やお店が加わってほしいです。地域全体がにぎわうための、起点となるような場所にしていけたらと思います」と髙林さんは語ります。


どんなメニューが増えていくのか、どんなイベントが開催されるのか、BON COFFEEの今後の展開に目が離せません。


通勤や通学、待ち合わせ、誰かとお喋りしたいときなど、まちなかにお出かけの際は、ぜひBON COFFEEに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。


施設情報:「BON COFFEE(ボン コーヒー)

〒430-0944 静岡県浜松市中区田町230‐28 新川モール内
TEL:050-1751-6937
営業時間:平日 / 8:15~20:00、土曜日 / 10:30~20:00、日曜日 / 10:30~15:00
定休日:なし
Instagram:https://instagram.com/bon_coffee2023