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タイBLドラマ「Laws of Attraction」(2023年)YouTube おすすめ キャストとあらすじ

2023.07.28 11:31

おすすめ度:★★★☆☆ 「絶対的な正義」と「相対的な正義」の境界線に立つ弁護士と犯罪被害者の痛快BLドラマ作品!


YouTubeでタイBLドラマ「Laws of Attraction」(2023年)を観ています。超おすすめタイBLドラマ「To Sir With Love」(タイ語のタイトル「Khun Chai / クンチャイ」)の興奮冷めやらぬまま、ジャム&フィルムの夢の共演が再び実現!ファンにはたまらないドラマシリーズがやってきました!


今回のドラマは前回とは雰囲気がガラッと変わって、フィルムはあざとカワイイ弁護士チャン役、ジャムは家族思いの好青年ティン役。ティンの姪っ子が巻き込まれてしまった交通事故を巡って、大物政治家と対決します。カネと権力が「正義」に勝るタイ社会で、敏腕弁護士チャンは「絶対的な正義」と「相対的な正義」の境界線をあらゆる手段で描き出す…。知的で意地悪なチャン役のフィルムがとことんカワイくて目が周ってしまいます!


このドラマ「Laws of Attraction」はYouTubeのOne31公式チャンネルで無料で見ることができます。なお、このブログを書いている時点で、字幕は英語のみになっています。


Jam & Filmが帰ってきた!

このドラマは、敏腕弁護士のチャンが法廷で、相手方の証人に立ったおばあちゃんのメガネをすり替え、証言の信憑性を見事に落とすシーンから始まります。弁護士役ということで「法の正義」を守ることを描いたドラマかと思ったら、実はそういうことでもなさそう…。


というか、このドラマの本当のアングルは別のところにある様子。カネや権力を利用して社会を牛耳ったり、正義を歪めたりする人たちとの「法律」を介した戦いとでも言うべきか、「絶対的な正義」と「相対的な正義」の境界線で、弁護士チャンが守るべきものを守ることができるのか。そういったところにドラマのポイントがあるようです。


スマートであざとカワイイ弁護士チャン役を演じているのは、フィルム・タナパット・カウィラ(Film Thanapat Kawila)。タイ語で「クンチャイ / Khun Chai」の超おすすめタイBLドラマ「To Sir, With Love」(2022年)では、主人公のティアンの非常に難しい役所を見事に演じていました。まだ見ていない方はぜひこちらから!


敏腕弁護士のチャンと苦労青年のティン

そんな敏腕(あるいは悪徳?)な弁護士チャンには、訴訟を通して負けた恨みを持つ人がたくさんいて、ある日、夜道で何者かに命を狙われる…。そこにたまたま通りかかった青年ティンが、思いがけずチャンの命を助けることに。この出会いが、2人の人生と、ある事件をめぐる正義の行方を大きく変えていく。


家族思いの好青年ティンは、スポーツ教室で子どもたちにテコンドーを教えている。下町の普通の家に住むごく普通の青年。ティンには愛する姪っ子がいるが、ある日突然、交通事故に巻き込まれて命を落としてしまう。この事件が、奇しくもティンと家族に大きな悲しみと、次々と起こる不幸ともららす…。


正義感の強いティン役を演じているのは、ドラマ「クンチャイ」で飴売りのジウ役を演じたジャム・ラチャタ・ハンパノン(Jam Rachata Hampanont)。クンチャイで「ジャム&フィルム」が大ブレイクし、今作でも夢の再共演です。今回も相変わらず爽やかで心優しいのに強くて頼りになる存在。でもクンチャイに引き続き、苦労人!


カネと権力

ティンの姪っ子の死亡事故の真相をめぐり、進んでいくストーリー。事件発生当時、飲酒運連で姪っ子の命を奪ったとされたのが、大物政治家タテップのひとり息子タエンタイ。「出来が悪い」といつも父親に怒鳴られ、ヘマをするたびに罵声を浴びせられ殴られる。


果たして父親タテップの本業は、政治家なのか、マフィアなのか…と思うほど、恐ろしい。タイではこの二つは表裏一体なんだろうか…。そんなことはないと思いますが、それでも社会をカネと権力と恐怖で牛耳ろうとする勢力はいるもので、タテップがその代表格という感じでわかりやすく描かれています。


こんな家庭に育った息子タエンタイは素直に育つはずもなく、やさぐれては自暴自棄になって飲んだくれて、クラブで遊んでばかり。でも、そんな彼をいつもそばで見守っているのが、兄のような存在のボディーガード・ティー。ティンとチャンのサイドで、タエンタイとティーのBLも進んでいきます。


事件の真相と黒幕

事件の真相はともかく、黒幕がタテップであることはかなり早い段階から明らかになります。問題はそれをどう世間に明るみに出すか。証拠を集めて、悪徳政治家タテップがこれ以上、好き勝手にできないようにあの手この手で追い詰める…。


当然、チャンに次々やられて黙って見ているわけがないタテップ。ティンもチャンも次から次にタテップの一味に命が狙われ、何度も危ない状態に…。社会の闇と対峙するハードボイルド感もありつつ、ティンとチャンのBLもグイグイ進んでいきます。この感覚、どことなくBLドラマ「KinnPorsche The Series / キンポルシェ」(2022年)にも似ている気が。


ただ…このドラマ、おもしろいのですが、全8話と思ったより短く、ストーリー展開がちょっと物足りないんです…。意外性とか衝撃とか、あるにはあるんですが、ヤマがない感じが否めない。BLシーンもいい話なんですが、心揺さぶられるほどでもない…。アクションシーンも結構ふんだんにある割には、なんかどこかあっさりしすぎていて…。


んー、ジャム&フィルムの夢の再共演に期待しすぎたか?


ハッピーウェディング

第8話のラストシーン、ここは結構賛否が別れるところなんじゃないかなと思います。事件が片付いて、タテップの悪事もそれなりの社会的制裁を受けて、勧善懲悪というか、正義は勝つ展開に。んー、ある程度想像できたシナリオとはいえ、ちょっとあまりにも普通。


悪事の告発シーンをソーシャル・メディアにライブ配信するのもかなりの二番煎じ。これだとチャンが弁護士である意味はなかったんじゃないの?とさえ思えてくる。なんというか、タテップだけでなくチャンも基本、力技。法律も裁判もそんなに関係ない…。そのせいか、どうもマフィアドラマに見えて仕方ない…。


そこからすべてをいい感じのハッピーエンドに持っていくため、ラストはティンとチャンの結婚式へ。ここでタイでは同性婚が法律で認められていない話なんかも挟まれてくるのですが、ドラマ全体を通してのメッセージはそこではなかったので、ここにもなんだか二番煎じ感が。


いろんな衣装とポーズで結婚写真を撮りまくるティンとチャンのシーンはタイBL特有の「ニヤニヤが止まらない!」を誘うのですが、一方でなんだかYouTubeの特典動画みたいに仕上がってて、ドラマの世界観から切り離された感覚にもなり、ちょっと興醒め…。


クンチャイの大ヒットにあやかっただけの、ジャム&フィルムのイメージドラマみたいになっちゃったかな、という気がします。


とはいえ、ジャム&フィルムを最初から最後まで堪能できるファンにはたまらない作品であることには変わりありません!


ジャム&フィルムの次回作にぜひ期待したいところです。