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Evidence Based Physical Therapy - 理学療法士 倉形裕史のページ

廃用と栄養①

2018.07.26 21:50

『廃用と栄養』

医療従事者の間では「フレイル」とか「カヘキシア」とか「サルコペニア」という言葉が最近問題としてよくあがります。

『廃用と栄養』 夢のまち訪問看護で働かせていただいていた時に、いつも言っていたキャッチフレーズ(?)です。

意図としては、 『廃用と栄養に起因する諸問題は必ず潰しましょう』ということです。

ちなみに、廃用とは、単純に言うと『運動不足』です。運動不足と書くと、『わざわざ専門家が取り組むような問題か?』と思われる方がいらっしゃるかもしれません。ただ、侮ってはいけないのがこの運動不足です。 ざっと上げただけでも下記のような問題を引き起こします

・筋力の低下

・関節可動域制限(関節が動く範囲の低下)

・骨の強度の低下(骨密度の低下)

・持久力の低下

 ・バランスの低下

・飲み込む力の低下

・認知機能の低下(呆ける)

        などなど。。。

この中には厳密には因果関係が証明されていないものもあります。しかしながら、多くの医療関係者がこのあたりの問題と運動不足(廃用)は関係があると考えるでしょう(あくまで意見のレベルではありますが)。

栄養の問題は

・筋肉がつかない(筋肉はたんぱく質の貯蔵庫でもあります)

・傷が治りにくい

・床ずれが起きやすい(痩せて骨が出っ張ると、そこの場所に床ずれができやすくなります)

などの問題が起きてきます。

もし無事にPre sessional Englishコースを通過出来ればUCLで色々なことが学べると思いますが、このキャッチフレーズは言い続けると思います。 なぜかというと、キチンと取り組めば誰でも(卒業後一年目のリハ専門職でも、訪問リハ未経験の私でも)つぶせて、しかも効果の非常に大きいからです。

私たちリハ専門職は、気を付けていないと細かい視点での患者さん・利用者さんへの評価に固執(?)してしまいがちな所があります。『姿勢が左右対称か?』や『正常な動作と違いはないか?』、『異常な関節運動パターンになっていないか?』などがその典型でしょうか?

これらに対する介入は、実は科学的な検証を受けていないものも多くあり、経験則により『効果あり』と考えられて長い間使われているものもあります。

イメージするとこんな感じです。

横軸を介入の難易度、縦軸を効果にして図を書いてみました。

おそらく、廃用と栄養に関する介入は、介入の難易度は低く、効果は大きい部類に入ると思います。 一方、理学療法の様々なテクニックなどは、効果の検証が十分にされていないため、難易度は高いけど、効果の大きさはよくわからない』という部類に入ると思います。

打ち手の選択をする場合に、『誰でも出来て、効果の高い』ものから選択することが利用者さんや患者さんにとって合理的だと個人的には思います。 

長くなりましたので次回に続きます。

今日も、最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

 理学療法士 倉形裕史