中学数学は算数の基礎の上に成り立っている
こんにちは。
学習塾マナビエの岡田です。
中学生に一次方程式を教えていた際に生徒からこんな質問がありました。
「分配法則のやり方はわかるけど、分配法則の逆(因数分解)のやり方がわからない!」
そこで、本日は「中学数学は算数の基礎の上に成り立っている」についてお知らせします。
分配法則は「かけ算を分けて配る法則 」のことです。
文字で表すと𝐴(𝐵+𝐶)=𝐴𝐵+𝐴𝐶となります。
例えば、6(x+2)ならカッコ内のxと2それぞれに6をかけます。
すると6(x+2)=6x+12となります。
さて、分配法則の逆(因数分解)は「加法や減法において、同じ文字や数字を含むものはその文字や数字でくくる」ということです。
文字で表すと𝐴𝐵+𝐴𝐶= 𝐴(𝐵+𝐶) となります。分配法則の逆ですね。
例えば、8x+14xならを同じ文字xでくくることになります。
すると8x+14x=x(8+14)となります。
では、「数字」や「数字と文字」でくくらないといけない場合はどうすればいいでしょうか?
例えば、6x+24や18x+36xyといった問題です。
答えは6x+24=6(x+4)、18x+36xy=18x(1+2y)となります。
頭の中で無意識に計算しスムーズに解いている人もいると思います。
しかし、このようなそれぞれが共通した数字を探しだす方法に苦戦する人も多くみてきました。
この数字の中からそれぞれが共通した数字を探し出す方法が小学校の算数で習った「最大公約数」でくくることです。
最大公約数ってなんだっけ?という方に改めて説明します。
最大公約数とは「2つ以上の正の整数に共通な約数のうち最大のもの」のことを言います。
例えば、18、24という2つの正の整数の最大公約数を考えてみましょう。
18の約数は「1、2、3、6、9、18」です。
36の約数は「1、2、3、4、6、12、18、36」です。
以上2つの共通する約数のうち、最大のものは18です。
よって18と36の最大公約数は18になります。
続いて6と24の2つの正の整数の最大公約数を考えてみます。
6の約数は「1、2、3、6」です。
24の約数は「1、2、3、4、6、12、24」です。
以上2つの共通する約数のうち、最大のものは6です。
よって6と24の最大公約数は6になります。
そのため、6x+24や18x+36xyといった問題では
6と24の2つの正の整数の最大公約数は6なので
6x+24=6(x+4)
18、24という2つの正の整数の最大公約数は18なので
18x+36xy=18x(1+2y)
という分配法則の逆(因数分解)になります。
このように最大公約数を使えば、カッコでくくる共通する数字を見つけ出すことが可能です。
ちなみに、最大公約数と似た言葉として、「最小公倍数」というのがあります。
最小公倍数とは「2つ以上の正の整数の共通な倍数のうち最小のもの」のことを言います。
では、先ほどと同様に18、36という2つの正の整数を考えてみます。
18の倍数は「18、36、54、72、90・・・」です。
36の倍数は「36、72、108、144・・・」です。
以上の2つの共通する倍数のうち、最小のものは72です。
今回は分配法則の逆で使用する「最大公約数」について説明しましたが
他にも、中学数学では小学校で習う算数を基礎にした問題が多く潜んでいます。
特に連立方程式では小学校で学んだ算数を抽象的な文字に言い換えて表現する問題が使われます。(人数と料金の問題、道のり・速さ・時間の問題、食塩水の濃度、円柱や円錐の問題…)
これから中学生になる方や既に中学生の方は、算数の基礎を身につける大切さを理解し、改めて予習・復習を心がけてみてくださいね。
数学ではかつて学んだことの応用であり、その次の単元へとつながっていきます。
それぞれの単元の仕組みを理解し、類似問題を繰り返し解いていくことが重要です!
数学における伸び悩みや勉強の取り組み方に興味のある方がいらっしゃれば、随時お気軽にご連絡ください。