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脳脊髄液(のうせきずいえき)

2023.08.01 13:28

夏は冷やっこ!という方もいらっしゃるでしょう。

鰹節や薬味とお醤油のスタンダードはもちろん、ジャコや海苔と生野菜なんかもいいですね。

今夜は豆腐サラダを食べました。


豆腐の多くは、水を満たしたパックで売られています。

浮かせておくことで、衝撃から守るためです。

また、空気との接触部分をなくして、豆腐を傷みづらく水分量を保つ働きもあるそうです。

実は、私たちの脳も同じしくみで守られています。



脳や脊髄(脳から腰まで繋がっています)は、脳脊髄液という液体に満たされた状態で硬膜に包まれています。

脳脊髄液の役割

 脳を外部の衝撃から守る
 脳のかたちを保つ
 頭蓋内圧をコントロールする
 脳の老廃物を排泄する
 栄養やホルモンを運ぶ

無色透明で、量は成人で約130mlほど。

脳で作られ、脊髄を仙骨のところまで周り、また脳に戻ってきて吸収されます。

24時間に約500ml産生されていることから、1日に約3~4回入れ替わっている計算になります。

心臓のように押し出す力ではなく、呼吸による骨の動きがポンプの働きになって循環しています。


わずかに思える脳脊髄液ですが、その量や圧、循環や産生・吸収のバランスが狂うと、様々な症状や障害を起こします。

事故などで硬膜が傷つき脳脊髄液が漏れ出たり減ったりすると、頭痛、頸部痛、めまいなどの様々な症状が現れます(脳脊髄液減少症など)。

水頭症は、脳脊髄液の循環障害によって起きる病気です。

この頃のCMに「?」と思って検索してたら、特発性正常圧水頭症(とくはつせいせいじょうあつすいとうしょう)の啓発広告でした。

“idiopathic Normal Pressure Hydrocephalus”の頭文字をとってiNPH(アイエヌピーエイチ)。

何かしらの原因で、頭蓋内に脳脊髄液が溜まり、脳が圧迫され、歩行障害・認知症・尿失禁などの症状が出ます。

老化による症状と見分けにくい病気ですが、治療で改善が見込めると注目されています。

原因不明の辛い症状や歳のせいと諦めていたことの一部には、どうも脳脊髄液が関係していることが含まれていそうです。



詳しい情報や治療については専門医にお任せするとして・・・。

セルフケアでは何が出来るでしょうか。


①熱を避けて豆腐を冷蔵庫に入れるように、コンピュータには冷却ファンが付いているように、頭にもクールダウンが大切です。

長々と怒ったり悔んだり、頭グルグルのネガティブなループからは早く抜け出しましょう。

あなたの気分転換技は何ですか?


②首の付け根が緩むと、血流や脳脊髄液の循環も良くなります。

仰向けに寝て、後頭部に手の平を当ててみましょう。

軽く目を閉じて、ゆったり呼吸します。

気持ち良いところを探って指を立て、頭の重みを乗せてみるのも良いです。

指で強く押し上げる必要はありません。

(むしろ逆効果になることもあるので、頭の重さを利用して。)

参考過去記事 「頭の重さはボーリングの球くらい」


③脳脊髄液の循環には、仙骨の動きが重要です。

呼吸に合わせて骨盤[仙骨、尾骨、寛骨(腸骨、座骨、恥骨)のセット]が立ったり倒れたりする「うなずき運動」が、ポンプの役割をしています。

骨盤を立てたり緩めたりのストレッチも良いでしょう。


④頭蓋骨を覆う筋肉が緊張していると、脳脊髄液の産生と吸収を妨げる可能性があります。

頭のマッサージで緊張を緩めましょう。


どれも、脳脊髄液だけのためではなく、心身全てを癒やし元気にするケアです。



脳脊髄液についてはまだ解っていないことも多いそうですが、自然治癒力の要なのは確か。

普段はなかなか意識することもありませんが、私たちは奇跡の仕組みで守られているのですね。

晩御飯に豆腐の水を切りながら、有難いなぁと思いました。