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砕け散ったプライドを拾い集めて

パラダイム・セッター

2018.07.29 01:46


今回のロスアンゼルス行きの前に、iPhoneのWiFiネットワークについて 「ソフトバンク」に尋ねると、既にこの機種には「アメリカ放題」が入っているので、アメリカに着いたらアクティベイトしてくれとのこと。LAXについて操作すると、すぐに旗印がSprintになった。日本にいる状態と何も変わらない。 

7月18日の朝10時頃。サンタモニカ海岸を臨むホテルに荷を下す。 東京は40度とか騒いでいる。ここは東京の緯度とほとんど変わらないのに、24度という爽やかさはどうしたことだ?

今回のロスアンジェルス 、サンタモニカ行きで、リムジン、タクシー、Uberと乗ったが、iPhone(「アンドロイド」のケースもあったと思うが、要するにスマート・フォン)がまるでデファクトのように運転席の前セットされていた。カーナビがついていても構わずにダブルである。もちろんナビゲーターとしてカーナビと併用しているのだが、ネット検索や通話にも使えるからだという。これがなかなか新鮮であったのだが、日本でもこうなっているのかな? (写真①)


このサンタモニカ市の歩道には何台もの自転車とか電動スクーターBirdが所在なげに放置されている。いわゆる「乗り捨て」「拾い乗り」のアレだ。 そのBirdを拾っている人がいる。ハンドル付近へiPhoneをかざしている。実車になったらしい。軽やかに走り去った。
これは予めiPhneへアプリを入れ、クレジット・カードとドライヴィング・ライセンスを入力しておく。使い始めは1ドルで1分ごとに0・15ドル。10分で15分で16ドル。
自転車へのチェックインも同工異曲であるという。(写真②、③)

それと7月23日のこのブログで紹介したUberが白眉であった。

iPhoneのアプリを起動させ、迎えに来て欲しいポイントを明示する。また、車のクラス(大人数でバンだとか)もリクエストをする。 すると付近のUberに登録しているドライバーが応募してくる。ドライバーは30秒以内にレスポンスしなければならない。最初に反応したドライバーに決定され、何分でいけるかが、アプリに通知される。それにOKを出すと、車のブランド、ドライバーの名前などが出てくる。車が来て乗る。目的地に着いたら降りる。それで全ては終わる。料金は予め設定しているクレジットカードにリクエストされる。現金のヤリトリがないのでトラブルはない。 
レシートは後ほどeメールで送られてくる。(写真④、⑤)

世界中で車を一台も所有しない一番大きな輸送会社がこのUberである。ここでは特段詳述はしないが、世界中で客室を一つも所有しない宿泊業がAirbnb。これらってiPhone(スマートフォン)とネットワークがなければ成立し得えていなかったビジネスであった。

現地の友人に案内されてミュージカル“On your feet”をPantageTheatreに観に行ったときにも、友人がiPhoneを取り出し、予約の証明のQRコードを見せる。受付の女性がそれを読み取り、シート番号を教えてくれる。

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2000年の頃だったと思うが、ソフトバンクの孫正義さんが,

500年後、人々はスティーブ・ジョブズとレオナルド・ダ・ヴィンチを比べて語る、というのが私の見解です」 

と言っていた。 相当な入れ込みようだなと片頬で笑ったのだが、最近ではそうかも知れないなって思うようになって来ていたところに、今回のLAでの経験や見聞などが加わり、ますます孫さんの言葉は正しいと思うようになった。

つまり、iPhoneなどのスマートフォンなしでは生活ができない、もしくはクオリティ・オブ・ライフが維持できなくなって来つつあるなということだ。
そして、同時にスマホが人々の間に断層を作っているのも強く感じる。

iPhoneは、1980年代にパーソナルコンピュータが登場して以来の、約30年ぶりに登場した“パラダイムセッター”であり、コンピュータ業界、ソフトウェア業界、ウェブ業界、モバイル業界、果てはゲーム業界まで、あらゆる関連セクターの向かう先をたった一つのプロダクトで決定づけてしまった“モンスターデバイス”であるというのは誠に正しい認識と思う。

だから尚のこと、「iPhone(orスマホ)を使っている人」と「iPhoneを使っていない人」との断層はますます大きく深くなっている感じがする。 (パラダイムがシフトするときに追いつけない層は必ず生まれるから……)

ここから先は門外漢なので覚束ないのだが……。
iPhoneがこのパラダイムをリードした所以はこのiOS上では一般のあらゆる高機能なネイティブ・アプリケーションが安定的に記述可能になっているということなんだと思う。さらに、加速度センサーやカメラ、GPS、ローカルのデータベースなど、内部のありとあらゆる機構に一般のアプリケーション開発者がアクセスすることを許している。開発者の自由度を高めることで、開発者の情熱を引き出す。こういうオープン性がもたらす開発者コミュニティにおける化学反応こそが、ジョブスがリードしたAppleという企業の真骨頂じゃないかと思うわけで。

(異論があろうかとも。反論するだけの知見はないので、その節はただただご容赦のほどを。)