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酒場BETTAKO

BETTAKO Laboratory file04

2023.08.03 06:24

球磨郡湯前町。

妻の実家、人吉からくま川鉄道に乗り、

51分ほどで終着駅となる湯前駅に着く。

球磨郡湯前町の街並みにひっそりと佇む

ふたつの蔵元。ひとつは焼酎ブームの中、

dancyuで脚光を浴びた、豊永蔵を醸す

豊永酒造と、もうひとつは極楽という

銘柄を醸す林酒造場のふたつが佇んでいる。


3年前…。

豊永酒造が醸したゆ乃鶴をテーマに

BETTAKO Laboratory file01として解析

掲載した2020年3月31日でもあった。

https://bettako.storeinfo.jp/posts/7999362?categoryIds=2852457


今回、8月8日の球磨焼酎の日に合わせ、

S女史から託された、湯前町の常圧蒸溜の

極楽を少ない時間の中、ポテンシャルを

味わってみた。

微かな香ばしさと甘味が広がる余韻。

一酌は げにこよなきと人の云う味も

香りも酔いも極楽という一節がある。

林酒造場は江戸時代天和2年(1682年)に

創業された歴史のある蔵でもある。

 

341年守り続けて来た味わい、それは

極楽独特の米と水の相性によるものなのか、

それとも341年の時の歩みの中の味わい

なのかは、林酒造場の不思議な世界観に

包み込まれた直感の味わいでもあった。


ストレート時の解析。

Am:a-(bc+2)3.35(3.05mm)Kr:b-(1+ac)+3.25(2.99mm) At:b+(a-b2)3.15(3.23mm)


ある意味、味わいはストレートでも充分な

穏やかの中に、甘味の膨らみという

印象を覚えた銘柄でもある。

それは、極楽だけが持つ本来のポテンシャル

その抽出と探りにフォーカスを当てる為、

限られた時間の中で解析を行ってみた。


燗付け時の分析結果※4種の水を使用。

K1:Am:b+(a-b1)+m45.5%=(4.00mm) Kr:b-(b+2a=2c-a1)m42.0%=(3.65mm) At:b++(1b-2a)m49.5%(4.55mm)

N(L2):Am:c++(c1b)m38.5%=(4.05mm) Kr:b-(ac+1/b-a1)m50.5%=(4.30mm) At:ba2+c1)m52.5%=(4.65mm)

O(e):Am:a(c+1-1c)m40.6%=(4.45mm) Kr:b(b1+c2)m47.7%=(4.25mm) At:b(c+2-1b)m50.8%=(4.85mm)

M2/O(pg)Am:c(c1+1b)m50.5%=(4.15mm) Kr:c(bc2-bc1)m.51.0%=(4.60mm) At:b(b-1a)m49.5%=(4.89mm)

▪️Best M2=(O)m53.5%-60.5%=a+(b2-ab1)


【球磨焼酎】

地元、球磨地方古くから愛され続ける

銘柄達が今も引き継がれている。

妻の実家がある人吉は、常圧白の繊月、

常圧黒の峰乃露、減圧蒸溜の彩葉や舞繊月

など、常圧と減圧ではその飲み口異なれば、

価格帯も異なる。

武者返しや豊永蔵といった、一都を含む

大都市の飲食店が取り扱う銘柄は、実は

地元球磨地方、人吉市の地元の人達は、

居酒屋やスナック等、手軽にこよなく親しみ

のある銘柄達と、そうでない銘柄達の

感度差の開きは、地元特有の酒文化でもある。


そんな自然豊か球磨川流れる場所には、

28の球磨焼酎を醸す蔵が佇んでいる。

球磨焼酎という熊本を代表する日本の蒸溜酒。

その魅力を今もどう伝えれるのか、どうしたら

飲んでくれるのか…ただ直向きな葛藤の中で、

今もなお、試行錯誤を繰り返し歩んでいる。


感謝