Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

俳句とエコロジー

2023.08.03 13:12

https://mag.nhk-book.co.jp/article/31093 【天然のシェード ~俳句とエコロジー【NHK俳句】】より

2023年度『NHK俳句』では、山田佳乃(やまだ・よしの)さんを講師に迎え、「俳句とエコロジー」をテーマに1年間さまざまな名句を紹介しています。6月号の兼題は、暑くなるこれからの季節に大活躍の「簾すだれ」です。

 「簾」は夏季、風通しをよくし涼しさを取り入れるために用います。障子しょうじや襖ふすまを外して簾を掛けることで部屋も広々と涼感が増します。最近は以前ほど、使われなくなりましたが、西日など夏の強い日差しを和やわらげるために軒先に簾が掛けられている家を見かけます。

 簾は葭よしや刈萱かるかや、割竹などを糸で編みます。この頃はプラスチック製のものなど多くの種類のものがありますが、自然の風合いを生かした簾は見た目も美しく、涼し気に感じられます。青簾は青竹を細く割って編んだ簾で青い色に清涼感が強く感じられます。伊予いよ簾は愛媛えひめ県で作られ上質なことで特に知られていました。

 内から外を見たり、外から灯しが漏れていたりと人の気配を感じさせ、視界が少し遮さえぎられることで景色が美しく感じられます。古家に簾が掛かっている風情などは懐かしく日本家屋らしい景色です。

夕簾砂丘かそけき日をとどむ

大野林火おおのりんか

 夕暮れの日差しが簾から漏れ来る窓辺。簾越しに砂丘がみえているのです。何もない砂丘の広がりには、夕日のほの明りがいつまでもそこに留まっているように感じられるのでしょう。砂丘という大きな景色が「夕簾」で屋内から見えることが分かります。作者の立ち位置と眼前の景との関係性を一語で表現することができるのです。掲句より砂丘あたりで暮らす家屋より見た景色が見えて来るようです。

木屋町きやまちの簾隠りに寝る灯ともしかな

石橋秀野いしばしひでの

 京都・木屋町は京らしい町家が並ぶ、料亭や飲み屋などが多く店を構えるところです。「簾隠り」には簾の奥から出ずに籠こもっている様子が想像されます。表に出てこない人物の生活の寝る灯が簾越しに見えているのです。秀野は花街に住む女たちを描写した句をいくつか残しています。

簾すを垂れて野の夕月の淡きいろ

柴田白葉女しばたはくようじょ

 野原の上に夕月がほんのりと光を見せ始める頃、茜色から徐々に藍を増していくグラデーションの空が簾越しに見えてくるようです。月は秋の季題ですけれども掲句の季題は「簾」です。月は年中あるものなのでこのような季重なりは昔からよく見られます。

 「淡きいろ」という体言止めにより、彩りの美しさに対する作者の感動が伝わってきて、とても美しい句です。

絵簾の険けわしき山のすがたかな

軽部烏頭子かるべうとうし

 山の描かれている絵簾が掛かっていたのですが、険しい山の姿だというのです。これは山水画、禅寺などに掛けられている水墨画のように思えてきます。

 作者は蝶ちょうや花というものではないところに珍しさを感じたのかもしれません。隙間すきまのある簾の絵は中から見える景色のようにも見えてくるような気がします。存在感のある絵簾が周りの景色を引き締めているようです。

絵すだれを潜くぐり童女の消えゆけり

中村苑子なかむらそのこ

 絵簾はどのような絵簾なのでしょうか。「童女」という措辞そじで可愛らしい花がイメージされます。

 また絵簾を潜り姿が見えなくなるのですから、家屋の暗さの中へと消えていったのだろうと想像されます。

 童女は家に入っていったのですが、「消えゆけり」と表現したことで儚はかなさや異界へと消えて行ったような不思議さまで感じさせているのです。

篁たかむらのにほひや風の青すだれ

巨洲

 座敷に座っていると、竹藪たけやぶにいるような青々とした香りが風に乗ってくるというのです。青竹で編まれた青すだれを抜けてくる風は清々すがすがしい香りまで感じさせるのでしょう。

 「風の青すだれ」という措辞がとても印象的ですっきりと表現されています。視覚だけではなく、嗅覚きゅうかくで感じた青簾の句です。

日は遠く衰へゐるや軒簾

松本まつもとたかし

 軒に掛けられた簾は普段よく目にするものです。簾衝立のように嵩張らないですし、巻き上げることができ使いやすいので、今ではこのような簾が一般的だろうと思います。 

 掲句より、暑い一日が漸ようやく暮れていく、という作者のほっとした心持ちが「遠く衰へゐるや」という措辞で伝わってきます。夏の暑さ、日差しの強さ、そんなものも体感として「簾」という季題の前提にあります。 

玻璃はりすだれ美容師花に水させる

西島麦南にしじまばくなん

 玻璃簾とは硝子ガラス製の簾です。クーラーなどが普及するまでは、様々な種類の簾が作られていたようです。

 今はほとんど見かけなくなりましたが、光を反射してキラキラと輝くようなモダンな美しさがあったのではないかと思います。簾には色々なものがありますが、それぞれのイメージが響き合い景が広がっていく面白さがあるのです。

 窓に一枚簾をおろすだけで生活の中にそこはかと詩情が生まれます。視線を遮り風を通すということがちょっとした変化を感じさせるのでしょう。日差しを和らげる「簾」は気軽にとり入れることのできるエコロジーな知恵だと思います。

選者の一句

巻き上げて雨の重さの古簾

佳乃

講師 山田佳乃(やまだ・よしの)

1965年大阪府生まれ。「円虹えんこう」主宰・「ホトトギス」同人。稲畑汀子いなはたていこ・廣太郎こうたろう・山田弘子やまだひろこに師事。第21 回日本伝統俳句協会賞。句集に『春の虹』『波音』『残像』(第4回加藤郁乎かとういくや記念賞)、著書に『京極杞陽きょうごくきようの百句』。日本伝統俳句協会監事、日本文藝家協会会員。


Facebook相田 公弘さん投稿記事

「ダメな子なんていない」というお話です。

マンガの神様と言われている“手塚治虫”さんが書いた、最後のメッセージと言われている本よりご紹介させて頂きます。

_______

“ダメな子”とか、“わるい子”なんて子どもは、ひとりだっていないのです。

もし、そんなレッテルのついた子どもがいるとしたら、それはもう、「その子たちをそんなふうに見ることしかできない大人たちの精神が貧しいのだ」ときっぱり言うことができるとおもいます。

一見、大人の目から見てダメに見える子どもの中にも、大人に眼力がないために埋もれたままになっている何かが必ずあるはずです。

ひとりひとりの子どもたちの、内部に眠っている宝のような何かに届く大人の眼差しがいま、求められているのではないでしょうか。

子どもたちは他者を傷つけ、自分たちも満身創痍になりながら、救いを求めているのだと思われてなりません。

その叫び声は、何だか地球の悲鳴と重なって聞こえてくるような気さえしています。

子どもたちが、大きな夢を、しっかりと地球の大地を踏みしめて、

宇宙へとはばたかせることができるように、

ぼくたち大人は力をふりしぼらなければなりません。

(「ガラスの地球を救え」手塚治虫 著 / 知恵の森文庫)

_______

子供に対してだけの話ではないように思います。

新しく職場に入ってきた人に対して、部下に対して、上司に見る眼が無い為、才能を潰されてしまっている人がいるかもしれません。

今までは、指示命令で部下を動かし、出来なかったらお前が悪い、出来たときは俺のおかげだ!感謝しろ、というスタイルでやっていけたのかもしれません。

しかしこれからの時代は、部下をやる気にさせる、部下の才能を引き出す、部下の能力を引き上げ、手柄を部下に譲れる上司が求められていると思います。

「潰すよりも生かす」です。

気にくわないものを排除していったら、誰も何も残らなくなります。

なぜなら、気にくわないというのはその人の心が決めていることだから。

逆に、生かす方向で考えていたら、良いところを探すようになり、善い循環が生まれます。

それも考え方や心次第です。

足が遅くても、勉強ができなくても、優しい心があるかもしれない。

その良いところを見出して、強みにしていったら、どんな人でも輝けるのではないでしょうか♪

人の可能性を信じられる大人でありたいですね(^^♪

※魂が震える話より


http://chikyuproject.jp/ 【『ガラスの地球を救え!』プロジェクトについて】より

本プロジェクトでは、手塚治虫氏が21世紀の子どもたちに託した「ガラスの地球を救え」のメッセージをもとに、「地球との約束」と「私たちの未来」という2本のアニメを制作しました。

このアニメを鑑賞することで、子どもたちが地球温暖化について関心を持ち、日常生活の中で、自分にできる地球温暖化対策への取組みを考え、行動してもらうことを目的として、地方公共団体や教育機関等が開催する上映会等に貸出しを行っています。

※感染症予防の観点からの配慮等について

上映会の計画及び実施に当たっては、その開催時期や条件(密閉空間・密集場所・密接場面を避ける)等、政府や地方自治体から発表される最新の方針等を踏まえて、必要な対応をしてください。

なお、上映会の日程変更・中止が決定された場合は、速やかに『ガラスの地球を救え!』プロジェクト事務局までご連絡をお願いします。


http://chikyuproject.jp/chikyu 【作品紹介:「地球との約束】

これが現実!? テーマパークで遭遇した大事件“地球温暖化” 絶体絶命! 人間はこの危機を乗り越えることができるのか!?

 混沌とした空間に、地球温暖化の影響で変わり果てた未来の地球が浮かんでいる……。地球の化身・ガイアは人間に警鐘を鳴らし、最後のチャンスを与えることを決めた。ガイアはテーマパークを使って、人間たちを地球温暖化が進んだ未来の世界に送り込むことにしたのだ。

 家族でテーマパークに訪れていた中学生のリナと弟の健人、そして猫のマルは、この大騒動に巻き込まれていく――。未来の世界に送り込まれたリナたちを襲う絶体絶命のピンチ。彼女達は力合わせ、知恵と勇気と優しさで、このピンチを乗り越えることができるのか?  地球の化身である「ガイア」が創り出す「サバイバル」をとおして、リナたちは地球温暖化の原因や自然の大切さを身近なものとして体験していく。「今、人間にできること」「今、何を“選択”すべきか」を問いかけ、「地球は人間だけのものではない」ということを伝える。


http://chikyuproject.jp/watashi 【作品紹介:「私たちの未来」】より

地球温暖化が引き起こす生命存亡の危機

タイムリミットは2050年

2018年夏――。中学2年の島谷マヒルとクラスメイト5人は、夏休みの自由研究の一環で、地球温暖化の研究において世界的に有名なテラサト大学を訪れる。そこでマヒルたちは地球環境研究の第一人者・熊川教授から、地球創生46億年の中で200年に満たない産業革命以降の現在、地球温暖化が引き起こした地球の生命存亡の危機、そのタイムリミットが迫っていることを知らされる。「でも……悪いのは大人だろ。オレたちは生まれたときからこの環境だったんだ。オレたちは何もしていない!」

 クラスメイトの一人がそう叫んだとき、未だかつて経験したことがない暴風雨がマヒルたちの街を破壊し、多くの命が奪われる。崩壊する街を目の当たりにした5人が、共にした決意とは……。  地球温暖化による地球の危機を知った5人の中学生が誓う決意と行動を通じて「未来のために私たちは何を“選択”すべきか?」を問いかける。