たまごサンドと珈琲

昨夜は何もする気が起きず九時半に眠ってしまった。朝起きるとただただしんどく、体力が落ちたなと思う。

つわりになってからサンドイッチの軽やかさに救われている。冷たいお米ならまだ食べられるけれど気持ち悪さがその後尾をひくから、やっぱりパンがいい。今日はローソンの照り焼きたまごサンドを食べた。昔の職場の通勤路にあったパン屋さんのことを思い出す。ひとつ100円のサンドイッチを私はほとんど毎日買っていた。職場に着くと部屋にいる職員みんなの珈琲を淹れてから、始業までのあいだに珈琲片手にそのサンドイッチを食べるのが日課だった。少しカラシのきいたたまごサンドと香ばしい珈琲を交互に食べて飲む。それは私の日課というよりその部屋にいるみんなの日課で、どんなに忙しい日も、みんなそうしていた。私の生活に珈琲が馴染んだのはそのときからだった。砂糖もミルクも入れる人はいなかったから、自然とブラックで飲んでいて、今もそれは続いている。みんなどうしているだろう。私のことはもう覚えていないだろうな。なんの疑いもなく同じ時間、同じ珈琲を飲んでいたのに不思議だ。あの頃のことを思い出すと、よくあんな生活をしていたなと思う一方で、なんて自分は弱く、自分勝手で、中途半端で、器が小さく不完全なんだろうと顔を覆いたくなる。

同居人がコロナになりどのように家庭内感染を防ぐか考えている。そんな誕生日前夜。