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あん

2018.07.30 04:50

店長さん、

私達は、世界をみて、きくために、

生まれてきたのよ。


そうだとしたら、

何者にならなくても、

生きる意味があるのよ。











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2015年公開の映画「あん」


友人に誘われて観たときの衝撃ったら、

なかったのです。











舞台は、東村山市。

ロケ地はなんと、我が家のごくごくご近所。

慣れ親しんでいる景色が、あちこちに。






あ、あの信号だ。

あれは、あそこの踏切。

お。電車図書館。素敵よね。

あの場所にお店を…へぇ…。

お蕎麦屋さん!知ってる。美味しいの。






なんてことを楽しみながら、

観ていられる映画でもあります。










ただひとつ、

慣れ親しんでいなかったものが。











ハンセン病です。







本当に、つい最近まで、

隔離と差別、断種という、

恐ろしいことが行われていた病です。

(この記事を書いている今も、理解不能な事態があったことを呑み込めていません)









東村山市内には、

隔離施設であった全生園があります。













映画「あん」は、

特段、病のことを扱っている訳でも、

世の不平等を槍玉に挙げている訳でも、

なんでもないのです。








ただ、淡々と、淡々と描かれていく日々の積み重ねの中に、すうっと沈んでいる人の弱さとか、愚かさとか、優しさ、愛しさなんかを、本当に、ただ淡々と描いているだけなんです。





その淡々さが、公開当時も、

昨日、改めて観たときも、

どすんと乾いた音で、響いてくるのです。










静かに、

静かに、

革命する映画。










そんな映画です。