第7回十字軍6-ルイ9世モンゴルと会見
2018.07.31 03:40
仏王ルイの出陣は聖王らしいこだわり。自ら建築した聖堂サン・シャペルに聖地から持ち帰った聖遺物キリストの釘、茨冠と十字架断片を奉納して勝利祈願。リヨンで教皇と会見し、過去十字軍が出発したヴェズレーも訪問して、聖サプロン教会で出発ミサを掲げ、モンジョワ(エイエイオー)号に1248年8月乗艦した。大型艦38隻、通常艦数百隻という大軍勢であった。ついでに嫁も連れていき、国は母を復活させるという一石二鳥の気遣い。
軍は、キプロスに寄った。ここはリチャードの征服以来、十字軍の補給基地になっており、ここで数年来蓄えていた食物を積みこんだ。ところがここに予期せぬ訪問者が現れた何とモンゴル!ルイに言ったのは、これも何と何と、大ハーンは洗礼を受けているとな?そして自分達はバグダッドを攻撃するので、ルイはエジプトを攻撃してほしいというのだ。
さすがにこれは怪しすぎる。ともかく使者には聖遺物のおみやげと「ローマ教皇に従うように」という手紙を持たせた。しかし情報を集めて見ると、モンゴルはキリスト教徒も迫害していないようだ。そしてアンティオキア王が来て、自分達はモンゴルの支配下にあり、モンゴルと協力しないと立場が危なくなると訴えたのである。
ルイは、熟慮し、パレスティナに行って三つ巴で戦うのは得策ではないと思った。ここはエジプトを攻めて、エジプトを併合してからモンゴルと対することにしようと考えた。そこで軍はエジプトを攻撃することになったのである。ちなみにルイは「タタールは地獄(タンタロス)へ送ってやる」と洒落たようだが。
下はサンシャペル内部と聖王ルイ像