思わぬ危険も⁉サマーカットの注意点
毎日暑い日が続きますね。
私たち人間よりも体温が高く被毛がある動物たちのほうがもっと暑い思いをしています。
日本の夏は梅雨の時期からだんだん暑くなり始め、気温・湿度共に高い「高温多湿」の時期になります。すると動物達の皮膚の上は、温度や湿度の条件が整い、細菌や真菌(カビの原因)が繁殖するのに最高の環境になります。そうすると、皮膚炎や外耳炎といった皮膚トラブルが発生しやすくなります。
そこで今回は動物たちが少しでも涼しく過ごすための「サマーカット」についてお話します。
サマーカットって?
はっきりした定義はありませんが、基本的にはいつもの長さよりも短く仕上げることを「サマーカット」と呼んでいる方が多いようです。しかしトリミングサロンで「サマーカットにしてください」とオーダーすると、5㎜以下のバリカンで全身を短くカットされてしまうことがあるため、そこまで短くしたくない場合には具体的な長さとイメージを伝えるようにしましょう。
猫の場合はサマーカットに限らず、カットは全て2㎜以下の丸刈り(頭、足先、しっぽの先の毛を残したライオンカット)が一般的です。これは犬とは違い4本で立ったままの姿勢をキープしてカットすることが難しいことと、猫の皮膚は軟らかいため短いバリカンでないと皮膚が挟まり怪我をさせてしまう危険があるためです。
サマーカットの良いところ
サマーカットのメリットは、何よりも動物自身が涼しくなるということです。
毛量が多いと熱がこもり体温が上がってしまいますが、被毛を短くすることでこれを防げます。しかし、毛量や毛質によっては短くすることで紫外線ダメージが増えたり、日差しの熱さを直接受けることになるため注意が必要です。
また、飼い主さん側のお手入れも楽になります。ブラッシングが楽になるほか、お家でシャンプーをした際のブローも時間短縮になります。また、抜け落ちる毛の本数は変わりませんが、毛が短いほど抜け毛の量は少なくなるため、掃除も楽になるでしょう。
サマーカットの注意点
まれに、毛刈り後の脱毛症と言ってサマーカット(毛刈り)後に発毛がなくなってしまったり、毛質が変わってしまうことがあります。原因は不明ですが、毛の成長の停止や皮膚表面温度の減少に伴う皮膚の血管収縮が原因ではないかと言われています。
とくにポメラニアンやシェルティーなどで多くみられますので、心配な場合はトリマーさんに相談してみましょう。
猫の場合はトリミング自体が大きなストレスとなるため、「暑そうだから」という理由でサマーカットをすることはお勧めできません。室内飼いの子はエアコン等で快適な室温を保ちましょう。
サマーカットをせずに涼しく過ごすには?
また、サマーカットができなかったり、したくないという場合には、いつもより念入りにブラッシングをするようにしましょう。ダブルコートの子の場合はアンダーコートが減るだけでも通気性が良くなります。1日2回、全身のブラッシングを毎日行いましょう。
おわりに
地球温暖化に伴い、暑い時期は年々長くなっています。
動物たちが少しでも快適に過ごせるように、お散歩のときには濡らすことで冷たくなるクールウェアや、首に装着して体温を下げるクールリングもあります。お散歩に行く時間を早朝と夜中にすることはもちろん、夏のアイテムも活用してみましょう。