25 日薬(ひぐすり)

私の執刀ドクターは、命の恩人です。

8時間もモグモグタイムなしで、私のオペをしてくれました。

奇形部分を取り除いた後、髪の毛ほどの細さの私の脳の血管を縫い合わせてもくれました。

ドクターをみかけると、涙がでそうになり、ドクターの後には神々しい後光がさすイメージです。

初めて歩けた日、廊下でドクターにばったり。

「先生、私、おかげさまで元気です！

しかも今日、歩けました。」

と言ったら、

「よかったです。〇〇さんが頑張ったからですよー」

と言われました。

…なんという、見たことない大きくて広いお心…(感激)

オペしてくださる方がいたから、私は生きてるのに。

私、入院途中で、

「つらいです…」

と、正直にドクターに話しました。

すると、

「つらいですよね、わかりますよ。

日薬と言って日毎日毎に慣れてよくなっていきます。焦らずにゆっくり行きましょう。時間をかけても大丈夫ですよ。」

と、教えてくださいました。

ゆっくり慣れて改善していく

「日薬(ひぐすり)かぁ。」

初めて知りました。

胸をうちました。

これは、いろんなことに応用出来そうです。

心の傷も、「日薬」で。

ゆっくり治して行けばいい。

つらかった…

色んなものを許していく時間ですね。

さみしかった…

悲しかった…

きつかった…

頭にきた…

腹が立った…

不安だった…

憎かった…

痛かった…

今の状態を許せて、ありのままの状態に向き合えた時、私はまたひとつ成長するんだと思えるようになりました。

「時間が解決してくれる」

と、同じような言葉ですが、

今の私には

「ひぐすり」という言葉がぴったりでした。

その時の私が、楽しみです。