54字の物語 #4
2018.07.31 13:35
【本日の54字の物語 #4】
「夕焼けは向こうの空の人にとって朝焼けだよね」
「ある人にとっては初めての朝で、ある人にとっては最後の朝かも」
【『本日の54字の物語 #4』の解説】
今日は夕焼けがメチャクチャ綺麗で、
私の繋がりある方々もインスタグラムやフェイスブックで今日の夕焼けをアップされてある方が非常に多かったです。
この夕焼けを見て、ふと
谷川俊太郎さんの「朝のリレー」
という詩を思い出しました。
「朝のリレー」
カムチャッカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウインクする
この地球で
いつもどこかで朝がはじまっている
ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交換で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ
(谷川俊太郎「谷川俊太郎詩集 続」思潮社 より)
情景がありありと想像できるとても素敵な詩ですよね。
偉人と比べるのもおこがましいことでオマージュというわけではないのですが、
谷川俊太郎さんのこの朝のリレーをヒントに、
たまたま目の前に教会もあったということで、
夕焼けと朝焼け
生と死
という対比で物語を考えてみました。