「君たちはどう生きるか」を観た
宮崎駿監督あらため、宮﨑駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」を観ました。
一言でいうと、とても良かったので、いろいろと感じたことなどを書きたいと思います。
(まだ映画を観ていない方は、ここから先を読まないでください。)
この映画を観る前は、正直、あまり積極的な方ではなかったです。
理由はタイトルから、難しそうとか、重そうとか、説教的な感じではないのか?などの印象を勝手に抱いていたから。
たしかに、ストーリーを細かくみていこうとすると、意味がよく分からない部分も多かったです。
(乙女座の相方さん→話のつじつまが合わなさすぎる、細かい部分がおかしい、などの感想)
私は途中から細かいことを考えるのはやめて、シンプルに楽しむ方向(→双子座)へ切り替えたら、とてもワクワクドキドキ、楽しめました。
なんと言っても、今までのジブリ作品の要素がてんこ盛りのオムニバス盤みたいなボリュームとスピード感がたまらなかったです。
宮﨑駿監督、すごい。まったく衰えを感じないどころか、若者にも負けないような、ほとばしるエネルギーをスクリーンから感じました。
セルフオマージュといえばそうなのですが、宮﨑駿監督の中にある、もしかしたらご自身でも理由は分からないかもしれないけれど、とても重要で象徴的なもの。
・疾走感
・生き物のようになびく風
・人を飲み込む水、波
・集合体に囲まれる
・無言で蠢く人間、生き物
・築き上げた大きなものが崩壊する
・食事をむさぼる
etc
これらは、専門的に分析したらおもしろそうだなと思いました。
(私には分かりませんが。)
例えるなら、ユングにとってのビジョンのような。その人の潜在意識だけでなく、人間の集合的無意識にも関わってくると思います。
そう、人の集合的無意識に働きかけると多くの人の支持を得られるのだそうです。
宮﨑駿監督には、そういうカリスマ性があるのだと思います。
また、宮﨑駿監督は手塚治虫先生の影響を強く受けておられるそうで、たしかに今回の作品を観れば、全体的に漂う雰囲気には、手塚治虫的なムードをとても感じました。
・この世界とは何なのか?
・宇宙、あの世とこの世との境界が曖昧
・この世は基本的に地獄である(それでも、我々は生きる)
・命とは何なのか?
いわゆるディストピア論的なものを感じさせる重~いテーマ。
現代アーティストの村上隆氏が死の島を引用しているとインスタで書いていましたが、なるほどな~と思いました。
この世は天国である、と考えた方が生きやすい人もいれば、この世なんて生き地獄である、と考えた方が生きる希望が湧いてくる、という人も存在するんですよね。
(筆者はどちらかというと前者ですが。)
どちらがいい悪いということではなくて、この世界というのは常にアンビバレンス(両価性)が成り立つということなのではないでしょうか。
ここからは、私の完全な妄想になりますが、宮崎駿監督ってよくスピリチュアルだと言われますが、今回その意味がとてもよく分かった気がします。
といいますか、はっきり言って宮﨑駿監督って、絶対にどう考えても、
宇宙に行ったことあるか、あの世に行ったことあるか
どちらかを体験されているのではないでしょうか。
でなければ、こんな映画作れないと私は思います。
逆に言うと、そういった体験がないのにこのような映画を作れるのだとしたら、それはそれですごすぎると思いますが・・・。
あとはやっぱり気になったのが、鷺(サギ)ですよね。
鷺といえば、サギ・・・サキ・・・ミシャグチ。
アオサギの中に入っている男の鼻が手塚治虫の鼻だったのがこれまた、意味深だと思いました。
いえ、意味なんて考えるのは野暮かもしれません。
これは宮﨑駿監督のヴィジョンなのですから。
あと、映画を見ながら「この声は絶対、柴咲コウさんの声だ、そうであってほしい!」と思ってたら、本当に柴咲コウさんで、めちゃ嬉しかったです。
キリコさん、かっこよかったな。柴咲コウさん、そのものであったような気がする。
私、小林薫さんも大好きで、大河ドラマのおんな城主直虎も大好きだったので、このおふたりが出演してくれて個人的に超嬉しかった。
宮﨑監督、小林薫さん好きよね。
最後に、この作品のタイトル「君たちはどう生きるか」ですが、私は占星術が好きなので、やっぱり思うことは、この宇宙を作った「いちなるもの」とは何なのか?ということですね。
私たちはその「いちなるもの」の大いなる意志のままに生かされているだけなのか?それとも、自分の意思で、なんなら自分の手でこの宇宙を作っているのだという気持ちで生きていくのか。
自分の命を、ほかのなにものかに委ねて生きてしまってはいないか。
そんなようなことを、問われているような気がいたしました。
私の宇宙はたとえちっぽけな虫けらのような宇宙であったとしても、後者でありたい、と私は思います。(ノミの心臓で(笑))。