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Lê Ma 小説、批評、音楽、アート

小説《明晰な、儚すぎるその…》④…世界が終る前の恋愛小説

2018.08.02 23:28









Quartet

明晰な、儚すぎるその…









Sleepless









何を語っただろう?

圭輔は時に、その無慈悲なまでに

鋭い眼差しを曝して、女たちを

圭輔は?

後から、まるで**のように

抱いたものだった。美しい、

何を語りえただろう?

知性のかけらさえない***圭輔は

まるで**をあやすように、わたしたちは、

わたしは?

剥きだしの軽蔑と、容赦ない侮蔑とともに

留保なき差別主義として彼女たちに

膨大な時間の中で、

奉仕してやりながら、どこかで

どうしようもなく彼女たちそのものに

膨大な時間を濫費し、

陵辱されたのは自分たち自身だったと

いつかは、きっと、自分自身で

それそのものに触れることさえなく、

確信して仕舞うに過ぎないことさえをも

わたしたちは気付きながらも

いつの間にか、時間は忘却した。

。る見

。た見

わたしのことをさえ。

、を君

、日のあ

自殺に限りなく近い、事故死。

、を君

、はしたわ、で中、のめあ

圭輔の死体。無様な。

?をにな

、はしたわ

あきらかな、肉体の破綻。

?をにな

、にみき

魂の不在。精神は、所詮は、

?をにな

、がみき

肉体の隙間を穿った、事故に宿った可能性にすぎないと、

?をにな

…したら?









ハンの体。貧弱な。女の、美しさ?…なぜ、君が。ここに?ハンの、痩せた、栄養失調児のような、君が、拒食症の、ここに?少女のような、…なぜ?

君が、ここに?「…圭輔」わたしは呼ぶ。

ハンが振り向く。

ハンにひざまづき、ふれる。Tシャツをめくらせた(無造作に)腹部に、(無造作に)わたしは顔をうずめ、(無造作な)皮膚。その(無造作な)触感、(無造作に)嗅ぐ。

匂いを。…圭輔。想う。

なぜ、ここに?

****圭輔が、なぜ?


ハンがトイレで吐く。その音声が聞こえる。えづく。内臓を、吐き出して仕舞わなければ気がすまないような。


振り向くと、圭輔の眼差しがそこにあったとき、(あの、圭輔の誕生日イブの日に)それはわたしを見詰め。(…プレゼント、)戸惑い。(買わなきゃ…)若干、(明日までに。)程度の。

かすかな。

表情を失った、その。…すき。


ん、…


…すき、だよ。



その単純な、数個のシラブルさえ、燃え尽きた後に。圭輔が僕を見詰めていたことに、振り向いて、気が付いたわたしは、微笑むことに失敗した、その数秒の、そして、ややあって、微笑んでいるわたしを圭輔は見つめたのだった。


「…なに?」

圭輔が言った。訝るように。…なに?

「え?…」言いよどんで、わたしは、言葉を捜し、殺してしまいたい。圭輔をではない。自分自身ですらない。


世界そのものを。

愛していると、その一言さえもが言えず、そして、その言葉が何をも生み出さず、何をももたらさないのだとしたら。



雨。



あの日、雨が降った。

ハンが、ベッドの上で、わたしに戯れる。

笑う。


声。…聞く。

自分の、…ハン。彼女の、それら。

重なり合い、空間に。

消えうせる。

空間に。



いつから?


ハンが咬む。わたしの***。

かるく。

決して、傷付けたりしないように。

鼻で笑う。上目に見て。


いつ?



いつ、世界を、破壊できるだろう?

わたしは。そして、知っている。わたしは気付いていた。ハンは圭輔の生まれ変わりに違いなかった。「…知ってる?」証明する手立ては 圭輔が言った。「お前、」なにもない。「この、世界の」証明する「…秘密。」意味もない。

ハンは、圭輔と同じだった。同じ人物とは言えないくせに。そのすべてを異ならせながら。なにをも共有しないくせに。

ハンは。…生まれる前の記憶、あるんだよね。俺。



足の下に、地球があったの

あと2ヶ月で。

足なんか、ないんだけど

九月の雨が降り、あと2ヶ月で、とあの日、想った。

宙ぶらりんなんだけど

日本へ。

光の束なの。…みんな

帰還。

綺麗だった…地球

出張期間の終わり。

真っ青な、ぼうっとして、鮮明な

ハンは何も知らないままに、わたしにしがみつき、戯れ、圭輔。

わたしは、二度と省みないに違いない。

見惚れていた

ハンを。陵辱して、捨て去る。

迷ってた。どうするか…堕ちるか

ベトナムの少女を。

留まるか

現地で、慰みものにして、捨て去る。

でも、決めた

ごみくずのように。

なんでだろ?

使い棄てて。

忘れたけど、もう…

水に流す。

何でだろ。でも

トイレの、穢れた紙のように。

俺は、選んだ


…汚物。

穢れもの。…


星々が堕ちた

けがれた植民地主義者の、唾棄すべき肖像。

そのとき、下から上に

東南アジアにおける日本人の典型的パターン。

堕ちた


…まばたく。まぶしい。

あの日。しばたたかせた。日差し。

熱帯の日差しが、そっと、まぶたに当たる。わたしは

あの日。君に身を預けた。11月。為すすべもなく。あと二日。

…圭輔。その死の、


わたしがいなくなった部屋で、三日前に、ハンは 愛の見ている前で。どうするのだろう?

…圭輔。…ねぇ、愛してる、圭輔のこと、と言う。愛してる。


そう、実は、…言うしかないから。俺。


愛し方も知らないくせに。愛は、無表情になって、


一瞬

まばたく。

見詰めた。

日差し。

無言で、


雨期の終わり。

沈黙「…うそ。」…まじ?


雨さえ降らない。


「…まじで?」…なの?…なん、「だ…そ」う、なんだ、…

わたしは、渇く。





2018.05.17

Seno-Lê Ma