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肢体不自由PECSサークル

注意引きの工夫例

2018.08.03 11:37

前回、「カードが掴みにくい子への工夫例」を紹介させていただきました。

肢体不自由児にPECSを行う際のもう一つの工夫としては、「注意引き」が挙げられます。


PECSのマニュアルP114~115にも記載がある通り、移動に課題を抱える方が肢体不自由の方には多いので、必要に応じてフェイズⅡでは注意引きを教えるケースが出てきます。

用いられる手法としては、次の3つが多いようです。

①VOCAの使用、②呼び鈴の使用、③発声






①VOCAの使用は、「こっちに来てください」や「先生!」などの声を吹き込んでおけば、ボタンを押せば誰にでも伝わるコミュニケーションになるので、大変使いやすいところがメリットです。肢体不自由ではわりと流通しているアイテムですので、手に入りやすい点も使われやすい理由かと思います。

ただ、VOCAで遊んでしまったり、ボタンを押すこと自体に興味が向いてしまう方もいるので、そういった場合には別の方法を選択することになります。



②呼び鈴は、安価で手に入れやすい点がメリットと言えます。VOCAではボタンを押すことに興味が向いてしまうけれど、呼び鈴を使うとそうでない場合は、呼び鈴を使うことになるかと思います。



③発声は、上記のようなアイテムが使用できない場合に、注意引きとして使用するケースがあります。ただ、現在発声が見られない方にこの方法を教えることは難しく、また逆に、様々な場面で発声を出しすぎる場合も、ハードルが高くなってきます。

この方法で注意引きを教える際は、声の大きさや、誰が見ても回りの大人を呼んでいると判断してもらえるか、などを慎重に考慮しながら導入する必要があるかと思います。


以上3点、注意引きを教える際によく使われる方法と、その際の注意点です。

これから実践される方は、参考にしていただければと思います。