お人形と春財布
2007.03.10 15:00
母が、どうしても与勇輝(あたえゆうき)のお人形が見たいと言うので、
久々に家族で広島へ。
三越でやっている「与 勇輝 人形芸術の世界」を見に行ってきた。
数年前にも同じ会場へ見に行ったのだけど、
与さんのお人形は、お人形自体の造りの細やかさもさることながら、
その周りにいろんな風景までも見えるようで、
この作家さんは、人形と一緒に時間や空間も作る魔法の手を持った人なのではないかと
思ったのを覚えている。
与さん自身が「布を使った彫塑だ」と言っているように、
布の素朴な表情が、いい。
お人形の顔や手の柔らかい雰囲気も、着物の質感や細やかな作りも。
最近、私自身も着物を着る機会がぐっと増えたので、
どれだけ細かな作業をしてあるかが、なおよく分かるようになった。
私も今日、木綿の着物を着てくれば良かったなぁ。ちらと思った。
*
着物と言えば、ここのところ、着物の時に持つ財布を新調したくて、
ずっと印傳のお財布を探していた。
そうしたら、ちょうど人形展の会場を出たところに、印傳のお財布を売っている。
印傳は、鹿の皮に漆を施してある日本の伝統工芸で、
しっとりした美しい質感と文様が好き。
印傳を作っている会社もいろいろあるし、
皮の地色と漆の色と文様とで幾通りもの組み合わせがあるのだけど、
私が好きなのは、「甲州印傳屋」の黒地に赤漆の物。
なんだか組み合わせが色っぽい。と思う。
ずっと狙ってた色と形と文様のお財布。
ついつい買ってしまった。
持っていた名刺入れと柄違いのお揃いになって嬉しい。
そういえば、季節は春。
春財布は縁起がいいとか言うし。ね。
ああ。これが買い物の言い訳なのかもしれないけれど。