こんぴらふねふね
日記をすっかりおさぼりしていた年末年始。
でもけっこう元気に過ごしてました。
みなさまお元気でしょか。
お正月は、
みんなでわぁわぁ太宰府に初詣に行って、
玄界灘のお寿司はやっぱり美味しいなぁと思ったり(←すでに目的が不明。)
新年会に珍しく洋服で行ったら
「うわ、誰かと思った!」とか言われたり(←洋服も着るわよぅ。)
じゃあ…と思って次は着物で行ったら、
洋服でしか会ったことのない相手にスルーされそうになったり
こんぴらふねふね歌いながら
金比羅詣でなんかも行ってみたり。
そんで、日曜日は初釜だったり。
新年だからみんな着物姿が一段と華やかで目の福デシタ(*´I `*)
そうそう、で、今日の話は金比羅さんなんですが、
丸山応挙(おうきょ)や伊藤若冲(じゃくちゅう)や岸岱(がんたい)の
ふすま絵を見に行ってきたんですね。
これ。
『金刀比羅宮 書院の美』
http://www.asahi.com/konpira/index.html
応挙は鑑定団でよくニセモノが出てくる人。
若冲も鑑定団でよくニセモノが出てくる人。
岸岱は……………だれだっけ?(´・ω・`;)
その程度の認識でした。正直な話(笑)
でもねぇ、一度本物を見てみたかったわけですよ。
応挙の虎(←完全にでっかい猫。)も楽しみだけど、
事前の情報で、実は一番楽しみにしてたのは
"誰だっけ?"岸岱の壁画。
蝶々が群れなしてふすまの上の壁面をわーっと飛んでいるもので、
とにかく構図が、斬新。
蝶自体は伝統的に用いられてきたモチーフだけど、
波打つように飛ぶ群蝶という壁画の構図は珍しいと思う。
実際見た結果、岸岱のほかのふすま絵は
特に好みとかいう訳でもないんだけど、
この群蝶はいいの。特別。
でも、一番良かったなぁと思ったのは若冲。
30×40cmに描かれた様々な花の絵が、部屋一面を埋め尽くしてる。
花の香りでむせかえりそうなくらいの密度。
こういう部屋にじっと座っていられるかどうかは謎だけど、
これはかなりおもしろいと思う。
普通、野にあるがごとく描くでしょ。ふすま絵って。
かなり緻密な描き方で、こういう整列した構図。
一歩間違えれば"植物図鑑"みたいになっちゃうんだけど、
そうならないのはこの時代の日本画には珍しく、
虫食いやら枯れた様子やらを自らの表現として描いてしまうことと、
もう一つ、30×40cmという制限を設けた上で、
枝やツタの動きや切り取り方が、大胆でユニーク。
そこに関しては、「写実」ではなく、
いい意味での「虚」、つまりフィクションがあるのね。
これが単なる"植物図鑑"にならない決定的なポイントだと思う。
「実」と「虚」という話を突き詰めちゃうと、
その定義がややこしくなるんだけども、
個人的には、こういう絵だとかには
作家が意図して作る『虚の配分』みたいなものがあって、
そのさじ加減がキモなんじゃないかなー、と思うのです。
それと、実際に見に行ってはっとしたのだけど、
実は岸岱の群れなすチョウチョ。
これ、若冲の花だらけ部屋の隣の間なのね。
時代としては岸岱の方が、若冲より後の人。
しかも、他の部屋に若冲が描いてたふすま絵の傷みが激しいから
描き直さなきゃ…となったときに、選ばれたのが岸岱という人なわけです。
若冲のふすま絵を描き直す立場になった岸岱が、
若冲の花を意識しなかったはずはないし…。
これは意図的に、若冲の花へめがけて飛ぶように
(もしくは花から出でて飛ぶように)
群蝶を描いたのじゃないかしらと。
証拠出せとか言われたら困るのだけど、ごく素直に考えれば、
「若冲に対するリスペクト」とかじゃないかな。
いま風に言えば。
時代を超えて繋がる芸術って、なんだかちょっとすてき。
そんな展示を見て、
金比羅さんの長い石段を下りていく途中、
「舟々せんべい」なるものを売ってるお店にさしかかりまして。
そういえば、
「こんぴらふねふね おいてにほかけてしゅらしゅしゅしゅ」の
歌の続きって何だっけ?
…って、気になってしょうがない。
舟々せんべい焼いてるおじちゃんつかまえて
「おじちゃん歌ってぇー」
「わしが歌うと高いぞ」
「えー。お願い!」
散々ねだってたら、結局、見かねたお店のお姉さんが歌ってくれた。
こんぴら舟々 追い手に帆掛けてしゅらしゅしゅしゅ
まわれば四国は讃州(さんしゅう)那賀の郡(なかのこおり)
象頭山(ぞうずさん)こんぴら大権現 一度まわって・・・
一所懸命覚えようと頑張ったのに、
うちに帰ってみたら節回し半分忘れてしまってた。
1,2回聞いただけじゃだめかーってぶつぶつ言ってたら、
母がさらっとフルコーラス歌ってくれた。
ありゃ。ここに知ってる人が居たのね。
次に狙うは、地元・福山美術館でやってる
三沢厚彦のアニマルズプラス展かなー。
三沢さんの彫刻が近所で一同に観られるなんて、ラッキー(*´艸`)
↓これ。
http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/fukuyama-museum/schedule/special/misawa_atsuhiko/
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