薪能
昨夜は毎年恒例、福山八幡宮の薪能。
岡山で学生生活してた頃は、
毎年何度か後楽園へ観に行ってたお能なのだけど、
福山に帰ってきて数年は何となく勝手が分からなくて足が向かず、
再び観に行くきっかけになったのがこの八幡さんの薪能でした。
その後、この間もJCのイベントでご一緒させてもらった大島衣恵さんや
その妹さんたちと知り合ったりが重なってお能がまた身近になったのよね。
今回の能は観世流が担当するので、
喜多流の衣恵さんが出演するのは舞囃子、
演目は「海人」でした。
「海人」って藤原房前の母である海人が、竜宮から宝珠を取り返す話なんだけど、
追手の龍から逃れるために乳房の下を切り裂いて
その中に珠を隠して逃げ帰るというような
かなりドラマティックな内容が含まれます。
私、大学の時の専攻が大伴旅人で、
房前はその同時代の人。(いわゆる藤原北家の祖ね。)
しかも旅人が琴を謹呈して歌をやりとりした相手として有名なので、
その人に関わるストーリーが能の中でどう描かれてるのかって
なんだか気になってた演目なんです。
できれば舞囃子じゃなくて、せめて半能で観たかったな。
ま、いいか。
舞囃子は直面(ひためん。面を着けずに舞うの。)だから、
衣恵さんの凛とした表情が篝火に照らされてとってもキレイだったし。(←ファンだな。笑)
狂言は大蔵流の「太刀奪」。
去年の萬斎さん(和泉流)はスタイリッシュでキレのある笑いが良かったけど、
大蔵流の出てきただけで笑ってしまう、あの大らかな雰囲気好き。
能は「松風」。
美女二人が出てくるし、狂乱の舞が華やか。
でも、在原行平とのなれそめを語ってるあたりでちょこっと落ちかけました。ウトウトっと。
はっと気が付いたら、横で友達が笑っとる。
み、みられた( ̄□ ̄;)
だって、謡のリズムが気持ち良いし…、
友達が団扇でそよそよ扇いでる風が届いて気持ちよかったんだよう…。