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揚羽蝶紋落款印

2010.03.23 15:00





(揚羽蝶紋落款印・38×22mm・2010)


地を這いながら、

どれほどに空を夢見ていたのだろう。


どれほど思いが強ければ

あれほど大きな羽を手に入れられるのだろう。


あの体のどこに

空へ向かう力を秘めていたのだろう。


*


日本でも奈良時代にはすでに文様として
現れていたという蝶紋。

その華やかさもさることながら
再生・変化・不老不死の象徴として
好まれてきた歴史を持つ。

篆刻に日本の伝統文様を取り入れてみた作品。

蝶一つ留まる書作があってもいいのではないかしらと。


*


そういえば、平家の家紋も蝶だという。

今でも落人の里にひっそり伝わるという蝶の文様。


蝶の華やかさとはうらはらに

いや

その不可思議な華やかさゆえにというべきか、

落人の里に息を潜める蝶の姿は

蝶に惹かれる人の思いと相まって

あまりにも魅惑的に思える。




幼い頃遊んだあの谷にも、

蝶の紋は隠れているのだろうか。