本物だらけ。
本阿弥光悦って気になるー。と思ってました。
いきなりですが。
光悦、日本では稀なタイプの総合芸術家だと思っています。
家業の刀剣鑑定で培われた恐ろしいまでの審美眼、
それを芸術全般に活かす力、
そしてなにより、
周りの芸術家を巻き込む力を持ってた人。
『琳派』と呼ばれる日本の芸術スタイルを代表する人で、
その活躍のジャンルも様々。
陶器・書・画・漆芸…
世間的にはどうなんだろう。陶器が有名なのかしら。
なんせ、日本で7つ国宝登録されている茶碗のうち、国産はわずか2碗。
そのうち一つが光悦の「富士山」なんですから。
でも、光悦自身は自分は"書家"だと思ってたらしいんですよ。
"書家"
ね、気になるー。
いろんな本や雑誌で作品は目にしていたけれど、
ぜひ、直にその書を見たいと思っていました。
そしたらね、お目にかかれたんです。
「細見美術館」で。
ここ、地味ですが当たりです。(今回そんなのばっかり。笑)
本阿弥光悦をはじめ、俵屋宗達、酒井抱一、鈴木其一、神坂雪佳…
びっくりするような琳派のビッグネームがそろってます。
お目当ての光悦の書は、俵屋宗達とのコラボ作品で登場。
筆の弾力を最大限に活かしたような大らかな書きぶりで、
細字とは思えないスケール感がありました。
空間を自在に扱う感覚は目を見張るものがあります。
いいなぁ、やっぱり。
光悦作の茶杓も出てました。
形がねぇ、なんて言うんだろう。
均整が取れてるって言うタイプじゃないんですよ。
やや右寄りの流線型のような櫂先。
少し大振りな感じ。
でも、崩れてはいない。
もっと光悦の手がけた物を見てみたいなぁ。
その他の作品の中で、今回の刮目NO.1は、これ。
以前、何かの本で見たときに、
「うわー、私もやりたいっ!!」と思った、"描き表装"の作品。
これ、実は本紙もその周りもすべて描いてあるんですよ。
作者は鈴木其一(すずき・きいつ)。
斬新さ、バランス感覚の秀逸さ、余白の大胆さ。ピカイチ。
鮮やかなブルーの一文字が「やられたー」って感じ。
これを生で見られるなんて思ってなくて。感激!