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閼伽井

2010.05.09 15:00

筆が遅いので、まだ4/30の京都だったりして。


お昼ご飯は、祇園の「閼伽井(あかい)」。

京都のお店は、え~、ここ!?というような
路地にあったりするんですが、ここもそう。

うっかりすると通り過ぎるような場所にあります。


こぢんまりした店内ですが、
畳敷きのカウンターがゆったりできます。


座るとすぐに、桜湯を出してくださいます。

茶事の時に待合いで白湯が出される、あの感じ。
こちらもそれでほっとして、気持ちが整う気がします。

まずはじめに、初夏の雰囲気にふさわしい
ガラスの器でエビと山ウドに酸味の利いたジュレを掛けた先付けが。
口の中がさっぱりします。
(写真ないけど、目にもさわやかでした。)



スズキ、タケノコの姫皮のきんぴらや、空豆
赤蒟蒻(鉄分が入っているらしく、真っ赤です。
でも、蒟蒻特有の石灰臭さが全くなくて、おいしい。)などを八寸で。



今年初の鱧でした。
やっぱり鱧はちゃんとした料理人さんのところで
食べさせてもらうのがいいよねぇ。ふわふわです。
お出汁も澄んだ味がします。



お造りは、鯛とマグロと、イカと。
さりげなーくとても細かな包丁仕事がしてあって。さすが。



大好物、ひろうず。

岡山に揚げたてで食べさせてくれるお店があって、
大学時代に嵌ってしまったひろうず。

そのお店のもいまだに大好きなんだけど、
ここのひろうず、上品で好みです。
とろりとした餡に、細かく刻んだ木の芽がふうわり香ります。

写真が悪いけど、蕗が澄んだ翡翠のような綺麗な色。

触発されて、家に帰ってから気合い入れて蕗を炊いてしまいました。
なるべく澄んだ美しい色で炊きたくて。




鯛の白子、ホタルイカ、アスパラの酢味噌かけ。
鯛の白子って酢味噌で食べたの初めてかも。
きちんと角の立った、新鮮な白子なのでおいしいことは言うまでもないですが。


あれ?この後焼き物が出たはずなんだけど、写真がない。
鰆でした。確か。
シンプルな塩焼きだったんですがおいしかったんですよ、ほんとに。
ぱくぱくっと食べてしまって。跡形もない…。


ご飯とお汁物、香の物が出たのですが、これも写真がない(笑)

まず、一文字に盛った炊き上がりすぐのご飯が一口。
それを熱いうちに頂いた後、
少し蒸らしたご飯をお代わりに盛ってくれます。

こういう地味に細かいもてなし方、
ちゃんとしてくれるお店ってなかなか出会わないなぁと思って
ちょっと嬉しくなりました。

お茶事の時くらいしか見ないもの。



デザートは季節のフルーツに白ワインジュレをかけて。

最近、デザートにパティシエでも居るのかと思うくらい
コテコテに凝ったお店が多い気がするけど、
個人的にはこれくらいさらっと出してくれるのが好み。

特に和食のお店で、デザートだけコテコテだと、ちょっと…。

プロとしての一手間がかかっていればいいと思うんです。


そう!あと、お茶と一緒にご主人お手製の干菓子を
出してくださいました。
ほら、なんていうんだっけ、寒天を干して
表面がパリッと、中がツルンとなった、あれです、あれ。
あー、出てこない。

上品な甘さで、とても好感が持てました。


ご主人も奥様も、話しぶりも地味な感じ、
お料理も派手な印象は受けないけれど、
堅実に、細やかに手を掛けてもらったという満足感が高いお店です。

素材の選び方や、温かい物、冷たい物、酸味、甘味などの味で
緩急が楽しめます。

わたし、こういうお店好きだなぁ。



また行きたくなるお店でした。