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「海棠の歌」

2011.04.19 15:00




(「海棠の歌」・60×180cm〈本紙〉・2011)


姿やさしい海棠の

花につれない夜の雨

あらしになったらなんとしょう

乙女心をそのままに

今日もあの日の夢に咲く

かなしいわかれじゃないかしら

雨は涙か引く糸か

花を見せたい人は来ず

逢わずに散ったらなんとしょう


(時雨音羽「海棠の歌」より)

[『増補日本歌謡集』時雨音羽編著 現代教養文庫]


*



何となく口ずさみやすいリズム。

ノスタルジックな空気。

可憐さを連想させる言葉選び。


そういったことを気に入って

きっと覚えてしまっていたのだと思います。

時雨音羽のこの詩を。



いつか・・・と思って書き留めていた

ノートの中から一遍の詩がようやく書作品になりました。



紙面の広さや構成の都合上、

一部を抜粋しての作品になりましたが

好きな詩を綴るというのはとても幸せな時間でした。


表装ができあがった瞬間にまた

客観的な反省点が出てくるのも常のこと。


今一度、もっと魅力的な線で綴れたらと思う詩でした。