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小谷元彦「SP0」

2012.02.16 15:00

地元近くに、「田中(でんちゅう)美術館」という美術館がありまして。

そう、あの天才彫刻家・平櫛田中の美術館です。

  
初めて見に行ったのは中学生の頃だったと思います。

両親に連れられて訳も分からず見に行ったのに、
その作品群の圧倒的な迫力に
子供心に心臓が痛いくらいの衝撃を受けました。

その平櫛田中の名を冠した彫刻ジャンルの賞「平櫛田中賞」の
第25回の受賞者、小谷元彦(おだにもとひこ)さんの
受賞記念展、見に行ってきました。

平櫛田中賞取った作家さんは、
歴代、それはもうすごい実力者揃いなわけです。

大好きな三沢厚彦さんもそう。
(→アニマルズプラス展

だからもうね、必然的に期待度高くなるでしょ、そうでしょ。


http://www.city.ibara.okayama.jp/denchu_museum/exhibit/exhibit_history/201201.html


ううーん。


凄い。

巧い。

美しい。


確かに、期待を裏切らない。

そして、恐ろしい。


・・・・これはねぇ。


巧者だな。という印象。技術も、モチーフも、見せ方も。

とてつもなく巧者。


気持ち悪いもの、恐ろしいもの、というのは人に与える印象が

絶対と言っていいほど強いものなんです。


ただきれいなものよりも、「恐ろしい」もののインパクトは絶対的に強い。


「恐れ」というのは「畏れ」に近くて、

「畏れ」というのは自らの手の届かないものに感じる感覚で、

それは圧倒的に「美しい」ものにも感じる感覚で。


恐ろしさの行き着く先と、美しさの行き着く先は

「畏れ」という概念で交わるような気がするんです。


ただ恐ろしいだけではいけない。

ただ美しいとも違う。


この人は、その辺のさじ加減を知ってる人だ。という印象。



展示の作品数は少ないですが、

その絞り込まれた展示の仕方、空間、照明までも

これは、小谷元彦という巧者の所業なのだなと恐ろしくなりました。