ヴェルレーヌをフランスで
皓皓と月の光にてらされた大地。そう見立てた反物に、『ましろの月』か・・・
それとも、びっしりと木の葉で埋め尽くされた反物に『落葉』か・・・
(まだまだ草稿ですけど。)***高校生の頃、初めて"訳詩"というものに出会って、その美しい響きにぎゅっと心臓を捕まれた感じがしました。すこし想像を巡らせてみても、"詩"というものを別の言語に訳すというのは、とてつもなく困難なことだと思うのです。上田敏、堀口大学、永井荷風・・・訳者の外国語に対する知識と、母国語に対する知識と、そして何より文学的な感性とが、よほど卓越したものでなくては、詩はたちまちにその世界観や響きを失ってしまいます。出会った訳詩はそれぞれに、日本の詩人とはまた違う世界観を、あまりに美しい言葉で表現してあって、思わずため息が出たものです。それ以来、訳詩集はいつも身近にありました。今、私の作品制作に欠かせない"詩のノート"にも、ボードレール、ジャン・コクトー、ヴェルレーヌなどの訳詩がいくつも書き留めてあります。せっかくフランスへ行くのですから、現地で、その訳詩を揮毫してはどうだろう。ふと、そう思ったら、もう紙の上を手が動いていました。ヴェルレーヌにしよう。書きながら思いは自然にまとまって、そして、引き寄せられるようにイメージに合う反物が手に入りました。旅先でのプランは、ほとんど何も出来てないけれど(笑)幸せな創作の時間が少しずつ積み重なっています。ヴェルレーヌがかつて生きたその国で、その詩を書くことが出来るなんて。【Ayami NAKAMURA & Yumi ISHIKITAEXPOSITION du 12 au 18 juin 2015】オープニングパーティーは、6/12 pm18:00~。席上揮毫をする予定です。