紙片と活版カムパネルラ
「紙片と活版カムパネルラ」って打ってみてその組合せがぴったりすぎて、笑ってしまった。実はこれ、どちらも尾道のスポット。「紙片」というのは、ギャラリーの名前。
目指すはココ。「あなごのねどこ」というカフェの路地をぬけたその奥。
小さなスペースに、一つ一つ丁寧に選ばれた本が並びます。展示の様子はここに載せないけれど神崎由梨さんの木彫作品を展示してありました。彼女の作品は初個展の時からファンで、うちにも小さいのがひとつあります。叙情のある作品というのは本当に好みで、ずっと見ていたかったけれど、次の場所を予約してもらっていたので移動移動。
次は「活版カムパネルラ」。きっとその名前でみんなピンと来ると思いますが、アレですよ、宮沢賢治ですよ、活版と言えば『銀河鉄道』のジョバンニですよ。ここはこの日ご一緒してた石北有美さんののれんが掛けてあるカメレオンワークスというデザイン事務所の一画です。
実は活版印刷体験を予約してもらっていて。(倉敷で「墨」っていう活版文字を見つけたからとかじゃなくて。笑)
活版体験は絵柄を一つと、ひらがな&カタカナ14文字以内で文字を組むことができます。事前に考えておくべきだったなぁ。「"ありがとうございます"とかお名前とかでも。」と言われたけれど、そこは意地でも文学で行きたい。本当は宮沢賢治で・・・と思ったけれど、賢治の詩は漢字が多くて、文字数が合わなくて挫折。結局、「よるをてんしとねむった」という谷川俊太郎さんの詩のフレーズにしました。「よるをてんしとねむった」という文字を一文字一文字拾う"文字を書く"のではなく"文字を拾う"。その「拾う」という仕草の叙情性を思うのです。それは砂浜の貝殻のようで。散歩道の木の実のようで。
濃色の紙を選んで15枚。銀のインクを載せて。なんだか今年は活版印刷づいている。