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日々の嫉み

妄想劇場 43

2018.08.06 11:00

 (こちらは完全に妄想の物語です。

実在の人物や関係者とは全く関わりありません。性的描写が含まれます。閲覧にはご注意ください。)








打ち上げ 3








眩しい。

朝?え?ここはどこだ。

見慣れない部屋。匂い慣れないいい香り。

見慣れない。寝顔。

目が線になってる。

綺麗な鼻筋。まつ毛長いのね。

星野さんの優しい寝顔。

規則正しい呼吸音。


ん?

ちょっと待って。

わたしはいったいどこにいるんだろう。

なんで星野さんが目の前で寝てて。

なんでわたしは星野さんの横で横たわってるんだろう。



星野さん。星野さん。



小声で囁く。

起こすのは申し訳ないんだけど今はそれどころじゃない。



「んー?」


ここ。どこですか。


「ん。おれんち。」



え?

今おれんちって言った?

なんで?え?どして?



「おはよ。かおるさん。」


おはよ…ございます…



目を擦った星野さんがうっすら目を開けて微笑む。

トロンとした寝起きの顔が愛おしい…んだけど。

脳内パニックが起きようとしてる。



「今何時?」


7時ですね…



ベッドサイドの時計がそのくらいを指している。



「7時かぁ…もう少し寝よ?」


え?



星野さんの手がわたしの手を取った。

ぎゅっと握られて。もう一方の腕がわたしを抱き寄せる。星野さんの胸にわたしの顔があたる。

また規則正しい呼吸音が聞こえて来た。

んー。とりあえず…なんでこうなったのかを思い出そう。


打ち上げのお店には行った。

そこで飲んだビールが美味しくてつい2杯目3杯目と飲んだ…気がする。

お腹空いたなー。

あ。すきっ腹に飲んだのか。

ミオさんやアヤメさんとの会話が楽しくて食べるのも忘れて飲んでたんだ。

ただ…それからの記憶がない。

この年になってなんで記憶無くすほど飲んだのよ。

学生の頃だってそんなことしたことないのに。

で。なんでわたしはここにいるの?

振り出しに戻った。

とりあえず星野さんの体温が心地よくて。

微睡んでしまった。



ビビビビビ。


けたたましい音と共に夢の中から連れ戻される。

あれ。



星野さん。星野さん!


「ん?んー。あ。」


あ。じゃないです。


わたしなんでここにいるんですか?


「覚えてないかー。」


すみません…



わたしも星野さんも起き上がった。

星野さんの方を向いてベッドに正座する。

あれ。わたし…襦袢じゃん。

慌てて前を合わせる。



「ふははっ。なにもしてませんよ。それもかおるさん自分で脱いでたし。」



それと言ってベッドの脇に散らばる残骸を指さす。



ちょっと…頭の整理がつかないんだけど…


「んーっとね。バーでかおるさん酔って寝ちゃったの。送って帰ろうと思ったんだけど遠回りだし、オレ今日からの準備もあったから。連れてきちゃった。かおるさんの部屋の住所もわかんなかったから」


はぁ。

それは…ご迷惑をお掛けしました。

すみません…


「そのままここに寝転がしたらすぐ寝ちゃったからさ。そのまんま。びっくりしたよ?グレーだったはずなのに次見たら真っ黒だったから。」


しんどかったんでしょうね…


「今までこんなことなかったの?」


無いです。


「ふははっ。初体験なんだ。すきっ腹にビールがぶがぶ飲むからよ?」


すみません…


「はい。」



手を差し出された。



え?


「手。ちょうだい。」



思わず手を差し出す。

グイッとそのまま引っ張られる。

星野さんに抱き抱えられる格好になる。



「無防備過ぎ。」



顎を持ち上げられて。

星野さんの唇が降ってきた。

ふわっと触れて。



「おはよーのちゅー。」



ニッコリ笑って抱きしめられた。



「エロいなぁ…この光景。着物の下の長襦袢?だったっけ?これね。エロいね。」



引っ張られてそのまま抱かれた状態。

襦袢の裾がはだけて脚があらわになっている。



「かおるさん。顔真っ赤よ?」


誰のせいだと!


「ふははっ。ですよね。コーヒー飲む?」


…はい。



星野さんがベッドから降りて部屋を出た。

わたしもついて行く。

広い。一人暮らしにこの広さが必要なのかってくらい広い。

寝室から出てぺたぺたと歩く星野さんの後ろを歩く。



広いですね…


「そうなのよ。広すぎて持て余してんの。」


贅沢な悩み…。


「ふははっ。そうかもね」



リビングに到着する。

生活感のあるようなないようなキッチン。

最小限の家具しかないリビング。

…オーディオセットが立派。さすが音楽家。



「何か食べる?」


何か…作りましょうか?


「そうねぇ…」



キッチンをゴソゴソし始める星野さん。

8時15分。



星野さんはお仕事ですよね?

何時からですか?


「石田くんが10時に迎えに来るよ」



リビングを見渡すとトランクがドンと真ん中に鎮座していた。

星野さんのいつものリュックが上に乗ってる。

わたしのカバンもその脇にあった。

確か腰紐を入れたはず。紅白で走り回った時にたすきがけしてたあれ。

カバンの中を探して腰紐を取り出し、長襦袢の上からたすきがけをした。



手伝いますよ。何作るんですか?


「んー。何が出来るだろ。なにもないのよね…」


冷蔵庫開けていいですか?


「あ!」


え?


「うそ。どーぞ?」



いたずらっ子が笑ってる。

もー。って言いながら冷蔵庫を開けてみた。

みそ。水。ノンアルコールビール。炭酸。



星野さん…ちゃんと食べてます?


「その日暮らしな感じ。」


でしょうねぇ。


「とりあえずコーヒー入れるわね。」



そう言ってポットに水を入れて火にかけてる。

こんな豪華な部屋なのにインスタントなんだ。



ふふっ。


「なぁによ。」


好きだなぁと思って。


「なにそれ。ふははっ。

…ここはオレの部屋だからね?

雪女のテリトリーじゃないから。」


はい?



ふいに星野さんが近づいて冷蔵庫のドアに押し付けられる。



「ここは。オレの城なの。雪女ですらオレの言いなりよ?」



目が。ぎらりと変わった。

顔が近い。

唇が近い。

目が。近い。

星野さんの唇がわたしの首筋を這う。

ゾクゾクするのにやめて欲しいとは思わない。

手が。襦袢の身八つ口から中に入って来る。

首筋から耳へ自由に動き回る舌。

吐息が漏れてしまう。

和装ブラジャーのホックをいとも簡単に外される。

さっきまで耳に齧り付いていた唇がわたしの唇を襲った。



「したかった?」



呼吸をするために離した唇が動いた。

でも返事を待たずにまた塞がれた。

角度を変えて。お互い思うままに。

星野さんの手はわたしの胸を触りたいようにどこが性感帯なのかを探しながら優しく動いている。



あ…


「やっと声が出た。」



火にかかったやかんが。

沸騰したことを知らせてくる。

お構い無しにお互いを求めてしまっている。