相州箱根湖水 ーそうしゅうはこねこすいずー
2018.08.06 04:44
箱根湖水とは芦ノ湖のこと。
北斎の三十六景の中でも珍しい 人や生き物がいない風景の描写です。
天下の瞼と呼ばれる箱根そのものが ここにあります。
左にあるのが三国山、
右側の丸い形が駒ヶ岳です。
北斎の絵によく出てくるこの雲は 奥行きを表すための雲型の霞。 世界の歴史上トップレベルに位置する葛飾北斎が 西洋の遠近法と東洋の大和絵の技法を 惜しげも無く盛り込み 全身全霊で描いていたことがわかります。
右側に小さく見える紺色の箱根神社の森は
鎌倉幕府の歴代将軍たちから崇拝されていました。
静かな空気を感じさせる すっきりとした色の快晴の富士。
控えめな登場とはいえ
しっかりとした存在です。
わさび色の丘に、茶の塗りぼかしが
今日もいい味出してます。
原画とは異なるつねきちの着色ですが
初刷りはこんな風だったのかもしれません。
絶景・箱根湖水。
ここに人はいませんが、絆はあります。
それはご先祖様との絆。
いま、こうして私たちが生かされているのは、過去を紡いできた人々の存在があったからこそ。
どんな時でも生き抜いてくれたから、いまの文化があるのです。
大自然はもともとあったかもしれないが、絶景を見つけ伝えてくれた存在に
感謝の気持ちで今日も幸せに顔を向け、生き抜いていく事こそが私たちの使命といえるでしょう。