アンティーク ペーストジュエリー
アンティークジュエリーがお好きな方であれば、ペーストという言葉と聞いたことがあるのではないでしょうか。
ペーストとは、1730年にフランスの Georges Frederick Strass によって製作された、鉛を多く含むグラス。
そして、ペーストジュエリーについて書かれた文献には、ジェムストーンのようにカットが施されたグラスとあり、厳密には1700年代から1850年代頃までに作られたものを指しています。
ペーストのバックにフォイルを当てることにより、グラスの発光をさらに引き出し、シルバーなどのベースメタルにわずかな隙間なく埋め込まれるようにセットされています。
そもそもは高価なダイアモンドの代替品として作られたペーストですが、ペーストジュエリーの製作には高度なスキルを要し、その美しさからも立派なジュエリーとして王室などからも高く需要がありました。
硬度の高いダイアモンドと違い柔らかく扱いやすいペーストは、ジュエリーのデザインに合わせてベースメタルにフィットするよう、職人の手で様々なシェイプに削り作られています。
爪でセットされたジェムストーンやグラスとは違い、この作業にはジェムストーンのセッティング以上に高度なスキルが必要であったと言われています。
1850年代以前のオーセンティックなペーストは、ハイジュエリーとして高価に扱われているジュエリー。
この時代のペーストは、産業革命の進んだそれ以降のものとは明らかにクオリティが違い、まさにハイジュエリーと呼ぶにふさわしいものです。
現代では、広い定義で使われるようになってしまったペーストという言葉。
買い付けをしていると、ジュエリーディーラーの多くが、1900年代以降のグラスを使ったジュエリーでさえもペーストと呼んでいます。
CHIROL VINTAGEでは、グラスとペーストを区別するためにも、グラスの質感やカット、セッティングがペーストと呼ぶにふさわしいもののみをペーストと記載しています。
私もペーストジュエリーの魅力に惹きつけられたひとりです。
美しいペーストジュエリーの魅力を知っていただけるよう、お伝えしていきたいと思います。
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