キンキンに冷えてます!?
じゃないんです・・・、これ、冷えて霜が付いているようにも見えますが、ブルームと言ってぶどう自らが生成する天然成分なんです!もちろん薬でもないですよ。これから収穫を迎え、皆さんの手元に届いたときに知っておいて欲しいこととしてお伝えしておきます。このブルームは様々な役目があって、実からぶどうの水分の蒸発を防ぎ、鮮度を保つ役目があります。また、雨や朝露をはじいたり、抗菌作用があったりもします。なので、農家はこれを大事に大事にしながら手入れをするんです。そう、これが残っているということは生産者さんの涙ぐましい手入れの象徴なんです!うちのは素人作業ゆえ、終盤に摘粒したりしたんで少し取れてしまってますけど(^^;) なので、ブルームが付いたまま食べても全然大丈夫。むしろ新鮮な証拠なのでご安心を!!
そうそう、実はこのぶどうは伊豆錦と言って、ぶどう界にとってなくてはならない存在「故:井川秀雄氏」の晩年の最高傑作と言われています。
この方はぶどうの育種家で、皆さんの知る「ピオーネ」の生みの親。日本のブドウ農家では知らない人はいないと言われるほどすごい方なんです。たった一人、生涯で1000種類以上も育種されました。とは言ってもそこから名前の付くぶどうはごく僅か。そのほとんどは世に出ることも無く終わってしまう、まさに雲をつかむような世界なんです。膨大な時間を費やし育種しても経営的にはかなり厳しかったような・・・。生産性や効率とは程遠く、時間をひたすら投下して下さった先人のおかげで、こうして私たちは容易に農産物を育て、また食べることができるということを忘れてはいけないんだと思います。
井川氏の有名な遺訓「誰が何と云ってもやって見なければわからない」とはその通りで、不可能かどうか?自分でやって見ないとわかりません。無理だという人のほとんどはやったことが無いんですからね・・・。そして、井川先生の思想は没後40年近くにもなる現在においても「日本井川ぶどう協会」に受け継がれています。