漢方による不妊療法と現代治療と①
2018.09.18 08:30
病院で不妊治療を継続中の患者様が、ご相談にお見えになるケースは多いです。
当然、病院の治療と並行して漢方療法を行うことは可能です。
現代医学と東洋医学ではそれぞれ得意分野が異なりますので
お互いのいいところをかけ合わせるとよりいい結果が現れてきます。
例えば、ホルモン補充療法では内服や注射などで体内の女性ホルモンを物理的に追加することで卵子の成長を高めたり、子宮内膜を厚くさせたりしますが、ホルモンを追加することで強制的に卵子の数を増やしたり、内膜を厚くしたりするので身体にかなり負荷がかかり、補充療法後は多くの人が疲れやだるさを訴えます。
ホルモン療法による疲れや弱りは体内のエネルギーや栄養を沢山消費するためですが、現代医学ではこういった疲れや弱りに対する治療薬はありません。そこで東洋医学の出番になります。
東洋医学ではホルモンを直接補充することは出来ませんが、身体の弱りを立て直すことは得意です。
実際、漢方薬を服用しながらホルモン補充療法をした患者様は「漢方薬を服用する以前に比べてきつさが全然ちがう!」「ひどい倦怠感がとても楽になった」と仰います。
漢方薬は、消費されたエネルギーや栄養を補うことができるほか、身体の様々な機能も高めてくれます。
漢方療法を行っていると、疲れだけでなく卵子や内膜の状態も良くなります。
ホルモン補充療法をしても採卵数が1~2個だった人でも漢方療法を始めると4~5個に増えたり、内膜が10mmを超えなかったのが10mmを超えるようになったり、受精卵のグレードが高くなったりと目に見えて状態がよくなる人も多いです。
どうしてそういうふうなことができるのでしょうか。
次回は不妊治療における漢方(新臨床中医学)の考え方を書いてみたいと思います。