妄想ライオンズ:2つの覚醒。隅田の5回と7回。
CS進出に向けて、目先を叩く3連戦の3つ目。
絶対に落としたくない試合の初回に、四球も含めランナーを溜めてしまい、島内に技有りのタイムリーを許してしまう。
しかし、今日の隅田はここからが違った。
2回以降は、曲がりの大きいカーブをふんだんに使い、よく腕のふれたストレートをインサイドにくこませていく。
ビハインドの展開の中で「自分の投球でリズムを引き寄せる」というような思いを感じる投球が続く。
その投球に打線が応え、4回に昇格即スタメンのベッケンのタイムリーで同点に追いつく。
同点に追いついた5回表、ここの隅田のピッチングが圧巻だった。
小深田を変化球だけで三振にとり、2番、3番もしっかりと押さえて、あっという間の1−2−3。
ここで、完全にライオンズにリズムがやってきた。
この5回のような、流れを自らの手で持ってくる、その強い意志を感じる投球は、今までの隅田にはあまり見られなかったところ。
その5回裏に、ライオンズは田中将大を攻略し、2点をリードする。
6回を押さえ、100球が目前の7回も隅田はマウンドに立つ。
が、ここで辰己を、追い込んだ後に真ん中に入ったストレートを弾かれ、ツーベースを喫する。
炭谷がつなぎ1死3塁。打順は上位に戻り、1番の小深田。
1点はしょうがないという守備体制を敷くライオンズ。
しかし、隅田の頭に、その1点はなかった。
「必ず三振に取る」
そう決意を固める。
小深田は、ストレートで押し込み続け、最後は低めのチェンジアップを計算通りに振らせる。
代打の伊藤は、カーブを見せてストレートで押し込み、チェンジアップで三振を取る。
引いて、押して、そして引いて。古賀との息のあったピッチングも目立った。
勝負どころで隅田が見せた気迫。ここだ、ここが今日の全てだ、そう決めた渾身の投球。
周りの人に、その思いが迸るように伝わってくるピッチング。
これも、今までの隅田には見られなかったところだ。
完封勝利をとげ、さらに一皮むけた感のある左腕エース。
彼が10勝までいければ、逆転CSがまさに近づいてくる!