早い月齢からしつけるのは社会化のため
しつけは仔犬の早いうちからした方がいいというのをよく聞きますが、
それは社会化のためです。
社会化とは、仔犬を取り巻く世界、すなわち人間の世の中を知り、
人間社会の環境や人間以外の動物にも慣れ、解決力や適応能力を養う力をつけることです。
仔犬の時期は世の中を学習するために、警戒心が少なく好奇心旺盛です。
危険なこともどんどんチャレンジできてしまうおかげで、
いろいろ失敗しつつ物事を理解していきます。
この警戒心の少ない時期に、たくさんの経験をすることが大切なのです。
例えば、
・家族以外の人も仲間。世の中の人はみんないい人(?)だから警戒しなくていいよ
・時々、知らない犬に合うけど犬も怖くないよ、できれば仲良くあいさつできるといいね
・自転車、自動車、バイクなど大きな音を出すけど怖くないよ
・人間は、小さい子供から、やさしそうな女性、大きい男性、
杖をついて動きがフラフラしている老人、いろんな人がいるけど覚えてね
・いろんな物音で溢れてるけど気にしなくていいよ
・知らない場所に預けたりするけど必ず迎えに行くから大丈夫だよ
など、成犬になるまでに犬が一生涯で出会う物事を経験させてあげてください。
犬は1年(1歳)でほぼ成犬になります。
成犬になると自分や、群れ(人間の家族)を守るために警戒心が強くなります。
社会化経験をたくさん積んでいれば、もし普段と違う変わったできごとに遭遇しても
過度に興奮したりおびえたりせず冷静に対処できる仔になっているでしょう。
仔犬を飼ったら、ワクチン接種の関係ですぐ外には連れ出せませんが、
外に連れだせるようになったらすぐ連れ出していろんな経験をさせてあげましょう。
ちなみに、私の意見をぶっちゃけますが・・・、
仔犬が外に出られるようになったら、すぐ外に出して社会化勉強をさせて下さい。
オスワリとか、マテ、オテなんてものは後からいくらでもできます。
そこに時間を使うよりもまず5分でも時間があれば外に出して社会化勉強をしてください。
(トイレと噛み癖のしつけは必要です。)
あと、この言葉も影響しているのではないかと思うのですが、
ペットショップの店員さんの「小型犬は室内を自由に出してあげたら運動足りてるから飼いやすいですよ」です。
(一部の店員さんですべてのペットショップの店員さんを否定している訳ではないんですよ、と一応言い訳しておきます(笑))
私から言わせていただくと、イヤ、そんなんじゃ足りんでしょ(個人の意見)。
まぁ、一歩譲って運動が足りてたとしても、社会化勉強のためには散歩は絶対必要だから、
散歩は毎日、プラス休日は(仔犬に負担がかからない程度で)遠出や長時間のお出かけをして欲しいです。
犬慣れしているワンコさんの飼い主さんにお話し聞くと、やっぱりたくさん外に出ているから犬も社会化ができているんだと納得します。
毎日の散歩は当然のことで、それにプラスのんびり長時間公園で犬友とおしゃべりして過ごしている方や、1日に3~5回散歩に行っているという人もいれば、犬慣れさせるために毎日ドッグランに通った方や、犬の保育園に半年間通ったという方もいらっしゃいました。
何かで読んだ資料に、しつけがうまくいくかは社会化がしっかりできているかでほぼ決まる。みたいなことが書いてありました。
しつけはいろいろな要素が合わさって成果が出ます。
社会化経験を積むための毎日の繰り返しは、社会化以外のトレーニングの部分にも大いに影響を与え、しつけがうまくいく助けとなってくれます。
社会化は、短期間・短時間でできるものではありせん。
毎日の小さな積み重ねと、繰り返しの経験や場数を踏むことが大切なのです。
日常生活の中で無理のない範囲で(飼い主さんにも、仔犬にも)社会化トレーニングを進めて下さい。
なかなか時間が取れない、効率よく社会化したいと考えている飼い主さんには、
しつけ教室という手もありますよ。
楽助のしつけ教室では、社会化トレーニング中心のレッスンもやっています。
詳しくは気軽にご相談下さい。