リンパと鎖骨
鎖骨の形はとても大事です。
鎖骨は、肩甲骨の動きと連動しています。
なので肩甲骨の動きが悪くなると同時に鎖骨の位置も変化します。
どちらが先かは別として、肩甲骨と鎖骨、肩、肋骨というのは常に同期しています。
肩甲骨の動きが悪くなったり位置が解剖学的肢位から外れると肩甲骨周囲の緊張が起こります。
それに伴って鎖骨も肩も肋骨も首も変位します。
筋肉に緊張が起こると筋肉だけではなく、骨にも関節にも神経、血管、リンパにも影響がでます。
筋肉は筋肉、関節は関節という区分けをすると本質を見失います。
鎖骨の位置が左と右で違うのがよくわかります。
左鎖骨は角度が上にあがっているように見えるのがわかると思います。
つまり鎖骨が上に引っぱられている訳ですね。
こういう時鎖骨のどの位置に異常な力がかかっているかを観察することで変位した関節を元の状態に戻すことができます。
元の状態に戻すのは関節だけではありません。
しかし、普通はそう考えますよね。
それが大きな間違いになることもあるので注意です。
位置を変えさえすれば良いと考えるのは問題です。
だからビフォアアフターのような図だけでは効果の判定はできないということですね。
鎖骨の変位は、神経、血管、リンパ、筋肉、皮膚まで全ての器官に影響を与えていますから、逆にリンパや血管の一部もよく調べる必要があります。
この方の場合リンパ管の一部にのみ反応があります。
写真を見ても左首の付け根に反応があるのがわかると思います。
この奥には、胸管といってリンパ管でも重要な管が胸椎の前を走っています。
この方は胸管には反応はありませんが、腋窩から肩、胸部にかけてのリンパ管に影響しています。
これらの異常によって鎖骨が変化しています。
これを強制的に鎖骨だけ動かすと反発がきます。
関節の問題は関節だけではないし、筋肉の問題も筋肉だけではありません。
そのことをよく知って治療しないと逆証になってしまいます。
自分の鎖骨も鏡の前で右と左で高さの違いがあったり鎖骨が沈み込んで浮き上がっていなかったりしたら注意が必要ですね。
鎖骨の変化はリンパ管だけでなく、免疫系や皮膚にも大きな影響を与えますからね。