Happily Ever After の先に
アマゾンプライムで映画「リトル・マーメイド」を発見しました。6月に公開された映画です。
元々好きなアニメの実写化だったため、公開時に映画館に走りました。海の底の生き物たちのダンスの美しさと、陸の上のラテンアメリカを思わせる陽気な城下町が印象的でした。もう一度、タブレットで観ようかな。
私は王道のプリンセスストーリーが好きです。だけど、同時に「姫と王子はひとめで恋に落ち、二人は結婚しました。いつまでも幸せにくらしましたとさ。」という展開は、あまり信じていません。もっと深く、細やかに、お話の行間を読みたくなるからです。例えば、大好きな実写版のディズニー映画「シンデレラ」のように。
その「シンデレラ」では、キット王子とエラは舞踏会で初めて会ったのではなく、少し前に2人は森で偶然に遭っていたというのが鍵になります。森へ王子は狩りに、エラは継母たちのいじめに耐えかねて逃げて来たのでした。キットは、愛する父、国王の期待に応えたいと考えつつも政略結婚が正しいとは思えず悩んでいました。お互いが誰であるかを知らないまま、二人はこんな風に話します。
キット「周りの人たちは君を大切にしてくれる?」
エラ「・・・大切にされているとは言えない」
キット「辛いね」
エラ「大丈夫よ。私はどんな時でも優しさと勇気を忘れないでいたいから」
キット「その通りだね」
エラ「お願い。あの鹿を殺さないで、逃がしてあげて」
キット「だって狩りをしているんだ。狩りとはそういうものだろう?」
エラ「そういうものだからって、必ずしなければならないってことはないでしょう?」
キット「・・・確かに、その通りだ」
エラとの会話をきっかけに、キット王子は「本当に愛する人を見つけよう」という勇気を持つことができたのでした。そして自分に勇気と優しさを持って生きることを教えてくれた、森で出会った女性と再会したいと願い、エラを探し始めるのです。
舞踏会でガラスの靴を残して消えた謎の王女(もちろん魔法使いの力を借りたエラでした!)を見つけようと、王子と側近は国中を巡ります。なんとか出会えたその人は、一見使用人のような格好の女性でした。王女でもなく、魔法使いの後ろ盾もない。エラは、今や国王であるキットを前に、ありのままの自分でこう語りかけます。
エラ「私は何者でもありません。でも、もしそのガラスの靴がぴったり合ったなら。王様、あなたはこのままの私を愛してくださいますか?」
キット「もちろんだよ。もし、君もこのままの僕を愛してくれるのなら」
エラのまっすぐな生き方がキットの心を動かし、彼の人生を変えました。またキットの誠実で真摯な想いがエラを見つけ出し、2人は真実の愛をつかむことができたわけです。
なんて素敵!
これこそ奇跡のハッピーエンドです。最高。もちろんこの奇跡には、苦労や忍耐そして努力無くしてはたどり着くことはなかったでしょう。
そして私は、おとぎ話しの中ではなく、私たちが生きているこの世界においても、毎日、奇跡が起きていると信じています。
どんな奇跡かって?例えば‥
人目に知れず努力を続けて来たことの成果を見られたり。
ずっと温めて来た知識が意外な場所で誰かのお役に立ったり。
大切にお世話をして来た人が大きな成長を見せてくれたり。
ピンチの時に信頼できる助っ人が現れてくれたり。
合わないと思い込んでいた人と意気投合できて嬉しくなったり。
前を向けない暗く辛い日々、ふと明日への希望を歌っている自分に気づいたり。
想いを寄せいていた人と気持ちが通じ合えたり。
逆に通じ合えなくても、その人を想う気持ちがやがて美しい思い出に変わることに気づいたり。
一生の親友を見つけ出したり。
自分よりも大切で守りたいと思える存在を授かったり‥ たくさんです。
ひとつひとつの出来事を、奇跡であると受け取ることは、とても素敵だと思います。
Happily Ever After.
幸せに暮らしましたとさ、めでたし、めでたし。と記され、おとぎ話は終わります。
いいえ、でも。私たちの人生は物語のように終わらずに、これからも続きます。だからこそ、ハッピーエンドのその先にある奇跡を探し、見つけ、創り、生み出し、育み、実らせ続けたいのです。そばにいる大切な人の幸いを願うゆえに。
いつも、何度でも。人生はやり直せます。