繰り返される恵
2018年8月12日
使徒言行録13章4-12節
使徒言行録、使徒、聖霊の働きを記す物語。聖霊は何をなすのか。
教会を迫害していたサウロはダマスコに向かう途中、主に出会い、
目が見えなくなり回心へと向かう。
そのパウロが実質、初めての宣教活動をしたものが今日の聖書の箇所。
パウロのデビュー戦。相手は魔術師。
パウロは厳しい言葉を発し批判する。
その結果、魔術師エリマは目が見えなくなる。
物語は読者に促している。
サウロの回心と似ている、同じ展開だと。
パウロの回心と彼の宣教の始まりが似ている。
ここにどんなメッセージがあるのか。
パウロと対峙している者、エリマ、この直前に登場したヘロデ、
彼らは怒ったり、苛立ったりしている。
エルマは総督が自分から離れることを警戒しパウロに敵対する。
ヘロデは自分に逆らう領土に苛立つ。
彼らは同じ世界観を持つ。
油断すると、闇が私を襲ってくる。
世界は闇でできている。
かつてのパウロも同じ。
律法を守っていないと闇が私を襲う。
だがパウロはある時、知らされた。
神と闇とどちらが大きいのか。
闇の中で一緒に戦ってくれるのが神ではない。
闇をも覆っているのが神でないのか。
世界は暗くない。
世界は明るい。
パウロは自らの回心と同じことを引き起こす。
エラーをした野球選手。
その直後、ナインに「エラーをするな」と語ろうものなら
「自分を棚に上げて何を言うか」と批判される。
本人も語れない。
戦争体験者が、自らの経験を語れない。
隠しているのでない。
語れないでいる。
心に傷があるから。
傷に触れることを人は生理的に拒絶する。
パウロは神のためにしていると思い込んでいたことが、
実はとんでもなく的外れだったと発見する。
恥ずかしく、落ち込む。
心に傷を負う。
そのパウロが自分の傷に触れる言動を大胆にする。
聖霊はパウロに何を引き起こしたのか。
なぜ自分の過ちを平然と語れるのか。
パウロは自分を赦している。
自分を裁き続けていては傷を語れない。
世界が暗いと思っていては危害を加えてきたものを赦すなど愚の骨頂。
世界は明るいと信じれば赦しは生まれる。
聖霊は赦しを生み出す。
神の造られた世界を信じる希望を人に与える。
聖霊は人に愛を実現させる。