いわぶち動物病院

ステープラー(皮膚用ホッチキス)

2023.08.26 01:14

皮膚用ホッチキスと言っていますが、ホッチキスというのは日本のみで通じる用語で、

医療用だろうが、書類などをまとめるために使う物であろうが、英語圏ではどちらもステープラーです。


このステープラーですが、一回パチン!とやるたびに、高い原価がかかります。


そのため、大抵は手術の時ではなく、術後縫った糸を外されてしまった!という時に使用します。


皮膚用とは言え、ホッチキスですから、それなりに痛みがあり、飼い主さんは麻酔をすれば良いのに、と思うかもしれません。


ですが、このステープラーと、局所麻酔の注射、両方共経験したことのある僕からすると、ステープラーも、局所麻酔もあまり痛みは変わりません。

そして、3ヶ所傷を止めるとしたら、ステープラーなら3回で済みます。

局所麻酔は傷の左右を注射するため、痛い思いをステープラーの2倍する必要があります。

まだマシ、程度ですけどね。


糸を外されないようにすれば良い、と思うかもしれませんが、カラーをしてても体が柔らかいために、頑張って舐めて糸を外したり、中にはカラーを粉砕する子もいます。


また、今までの経験上、ステープラーは、手術後、お腹を閉じる時、糸で縫うより気にならない様ですね。


じゃあ、全部ステープラーで閉じれば良い、と思うかもしれませんが、ステープラーの針、一本一本がおかしいと思うくらいに値段が高い。

ただのホッチキスの針と見た目は変わらないんですけどね。