台東区合唱祭
初めて台東区の合唱祭を聴いてきました。会場の浅草公会堂周辺は、夏休みの日曜日だけあってまさに観光地。貸出しの浴衣屋さんやそれを着て散策する異国からのお客様、人力車とそれを引く車夫の活気やらで賑わっていました。そんなわけで、少々浮かれ気分で着いたホールですが、一歩入ると落ち着いたゆとりのある会場でした。全参加20団体なので、時間にも余裕があって羨ましい。各団がはけるごとに余裕を持ってピアノ位置を移動していらっしゃる。
さて、ステージは同じような演奏が続く事が無い、とても楽しい合唱祭でした。どの団も、自分たちがどこを目指しているか、どんな演奏をしたいか、が数分の演奏で伝わってくるからですね。
「くるり庵」は指揮者を置かない男声アカペラ。fもpも整っていて、本当に美しい声、そして美しいハーモニー。温かくて癒されるずっと聴いていたい演奏でした。
「コーロ・フォルテシモ」は女性13、男性3人で「筑後川」から2曲演奏されました。少人数を意識させず、大曲を歌いきっていらして信頼関係とそこからくる自信を感じました。
「千鶯会」は「小雨降る道」などタンゴを歌う女声合唱団で印象的でした。指揮者・ピアニスト・衣装・声質…全部が曲のイメージにぴったりでした。また私達もタンゴ、歌ってみたくなりました。
「浅草見附男声合唱」の源田俊一郎作曲「涙について」、楽しい温かい曲。確かな歌唱力とサービス精神を合わせ持っていらっしゃる魅力的な団でした。
「上野男声合唱団」ホール全体がすーっと曲に集中していく「引きつける歌唱力」が半端ない、素晴らしい演奏でした。大正の両国を感じ、最後は一緒にざわざわした心持になりました。
「上野混声合唱団」整った美しい声と安定したハーモニーで、気持ち良く曲が流れていく、聴きごごちの良い演奏でした。
最後に講評の笹口圭吾先生からは
・どの団もこの曲をこう演奏したい、という気持ちが伝わってきた。
・ホールを鳴らす事、ホールの響きを味方につける事を心掛けて欲しい。
・日頃の練習会場は狭いので、本番は広いホールに力みがち、日頃から大きな声を出す、というのではなく、良く聴きあって丁寧な音を出す練習を。
といったお話が聞けました。
学ぶ事がたくさんの、楽しい合唱祭でした。ありがとうございました。 kuwamami