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とっかり

読書記録#4 十二国記シリーズ と 読書の効能

2018.08.13 10:38

前回の記事でもご紹介しました、十二国記シリーズ。一冊読み始めると止まらなくなってしまって、ここ数日は十二国記シリーズ読破三昧をしておりました。

もともと読書好きだったのですが、ここ数年はろくに読んでいませんでした。

「読書したいなぁ~。読書できるような時間のある人生がいいなぁ~」

なんてぼやきつつも、日々の忙しさに紛れてついつい後回しにしていました。

でも今回、久しぶりに読書をしてみて気が付きました。

読書って、脳内リフレッシュにものスゴイ効果を発揮する!!

※あくまでも個人の感想です。

脳って同じことを考え続けているとそれが負荷になって、より思考を狭めてしまう傾向があります。そこに読書をすることで別の思考(物語)が入ってきて、脳は別のことを考えることができる。

いわば、脳の気分転換です。気分転換することで脳内の仕切り直しをすることができるし、何より頭の中が軽くなります。

そのほかにも読書の効能といえば「疑似体験」がありますね。

物語の登場人物たちが経験することを、活字と想像力を使って体験しているような気持ちになれる。

それこそ魔法を使うことも空を飛ぶこともできるし、この十二国記であれば空腹と疲労で動けなくなったり妖魔に襲われたりもできるわけです。…願わくば経験したくないですが。

とりわけ十二国記シリーズはその世界観もさることながら、登場人物たちが非常に人間臭くてリアルです。王様になると同時に永遠の命を与えられますが、今のところ一番長い王朝で600年。次いで500年。短いものだとわずか10年足らずで閉じてしまいます。

永遠の命があるのに、なぜ閉じるのか。

王の命が尽きる時は、ざっくり言ってしまえば「王の器じゃなくなった時」です。最初は王の器ありと麒麟が王を選びます。でも、選ばれた後も器を壊さず国を正しく治められるという保証はありません。王といえど、もとは人。だからこそ迷い、道を見失う。そして道を失った王は、必ず倒れる。それが十二国記の世界の理です。

今こうして読んでいる主人公たちが、いつかは壮絶な最期を迎えるというファンタジーの中の圧倒的な現実。そしてその現実を、まだ誰も目にしていないというリアル。

今のところ各巻で主人公になった王様が崩御したという物語は描かれていません。でも「そうなるかも」とにおわす話しは出てきます。かれこれ500年ほど国を治めているフリーダムな王様は「いつか俺はこの国を滅ぼしたくなるんじゃないか」と呟きます。挙句、実際ヤバイところまで行っていた、という話しも出てきたりして読者はヒヤリとします。それでも、まだ、ない。薄氷を踏むような危うさの中で成り立つ世界。小野不由美さんの物凄さやるや。

数多あるファンタジー小説の中で、これは群を抜いています。

なのでもう、是非たくさんの方に読んでいただきたい!


と、いうわけで一風変わった形でオススメをしてみます。


十二国記シリーズの処方箋

◆『ちょっと元気がないな。誰かカツを入れてくれないかな』という人に

図南の翼

王がたおれて27年。「大人が行かないのなら、わたしが行くわ」と12歳の少女が王になるべく旅に出る。「子供にできるわけがない」と諭す大人たちを睨みつけて、少女は言う。「嘆くなら、やることやってからにしなさいよ!」


◆『親も友達も、誰も信じられない』という人に

月の影 影の海

優等生の陽子はある日突然、金髪の「ケイキ」という男に「主」と呼ばれ異世界へと攫われた。右も左もわからない場所でケイキとはぐれ、命まで狙われる始末。普通の女子高生をしていた頃は周りの顔色ばかり窺い息をひそめていた陽子だが、異世界で彷徨い行き倒れて、初めて彼女は自分の命に執着し手を伸ばす。


◆『もっと気楽に生きたい』という人に

東の海神 西の滄海

朝の会議はさぼり放題、部下の言うことは馬耳東風。勝手に城下を歩くなと言われるそのそばから、他国にまで出かける延王・尚隆。彼が即位して20年経ったころ国で内乱が起きた。人質として捕らわれたのは麒麟。騒然となる城の中で、尚隆は一人「やはりな」とつぶやく。ただの暗愚か、それとも鋭利な爪を隠した賢帝か。天意をかけて尚隆が動き出す。


◆『自信はないけど、動かなきゃ』と思っている人に

風の海 迷宮の岸

十二国の世界から蓬莱へ流された漆黒の麒麟-泰麒(タイキ)。生まれる以前から苦難を背負ってしまった泰麒は、自分に自信がなく人に嫌われることを恐れていた。10年という月日が流れ、ようやく十二国の世界へ戻ることのできた泰麒に課せられた使命は、王を選ぶこと。自分にそんな大任を果たすことができるのか。悩み、葛藤しながらも芽生える麒麟としての本能が今、泰麒を突き動かす。


まだまだ他にもありますが、とりあえずこんな感じでしょうか。

よくシリーズものだと「どれが最初?」なんて思ったりしますが、十二国記シリーズに関してはあまり気にしなくても大丈夫です。発売された順番も十二国の歴史順ではないし…。むしろ、他の巻を読んでいる時に「あれ?この人こっちの巻でも出てなかったっけ?」と思わぬ遭遇をするのが楽しいです。私自身、もう何度も読み返していますが未だに「この人…後々あの国の王様だぁー!!」って驚愕することがあるくらいです。細部まで行き届いた世界観って、半永久的に楽しめますね。


ちなみにInstagramの読書記録も随時更新中です。

物語を読むことってある種、旅行にも似ている気がします。

自宅やカフェにいながらにして異世界を冒険できるファンタジー小説。おすすめです。