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Evidence Based Physical Therapy - 理学療法士 倉形裕史のページ

『食べる順番ダイエット』を題材に、私なりの『科学的思考』を書きます①

2018.08.15 05:53

こんにちは。理学療法士の倉形です。理学療法士はリハ専門職のひとつです。 


以前、医療関係じゃない友人に『食べる順番ダイエット』というモノを聞きました。 

当時から、興味深いと思っていましたが、特に何か書く機会もありませんでした。で、書きたくなったので書くことにしました。 


私のポジションは、「『食べる順番ダイエット』に他のダイエット方法と比べて特にメリットはない」です。


 ただ、特定のダイエット方法を非難したいわけではありません。 むしろ、このダイエット法は、科学的にダイエット効果が証明されてないにも関わらず高価な商品を売ろうしないので、良心的だとすら思っています。 なので、医学に関する科学的思考のトレーニングを受けるとどういう風に考えるか?を書くのにちょうどいい素材だと思いました。


 もし、食べる順番ダイエットに励んでいらっしゃる方がいましたら、これから書く内容をちらっと見て、頑張って続けて下さい( ゚Д゚) .



私は、このダイエット法を知った時に、即座に『筋の良くなさそうな(効果が期待できなそうな)ダイエット法だな』と思いました。なぜ、そういう風に思ったかを深堀してみました。 

その結果、下記の4点が思いつきました。 

  1. 体重減少には、摂取カロリーを減らすことと消費カロリーを増やすこと以外に科学的に証明された方法がないことという知識
  2. 『反対にして考える』という自分の中の習慣 
  3. 「『代替エンドポイント』と『真のエンドポイント』を分けて考える」という習慣。 
  4. 「統計的に意味があることと、臨床的に意味があることの違いを考える」という習慣。 


医療関係でない方には聞きなれない言葉もあると思われますが、お付き合い頂ければ幸いです。 


今日は1.に関して書きます。


様々なダイエット方法が表れては、消えていきます。 

この『食べる順番ダイエット』は下記のような内容であると理解しています。


 食べる順番を変えることで、普段の食事内容・量は変えずに、運動もせずに、体重を落とすことができる。 メカニズムとして、野菜を先に食べることで、血糖値の急上昇を抑えることができ、肥満防止効果がある。

 参考にしたwebサイト


 食事による体重減少に関する研究は医学分野でも盛んに行われています。体重コントロールは様々な疾患のコントロールに繋がりますし、死亡率とも関係があるためです。 


前提として、当たり前ですが、全ての知識を網羅することはできません。私の考える『科学的な思考』の一歩目は、少ない知識で、いかに『筋の悪そうな(効果のなさそうな)』理論をスパッと捨てて、『筋のよさそうな(効果のありそうな)』理論が本当かどうか調べることに時間を効率的に使うことだと思っています。


 私は、食事に関しての専門家ではないので、前提知識は主にこんな感じです。 

・現在まで、『摂取カロリーを減らして、消費カロリーを増やす』以外の体重減少効果が認められた方法はない。 


健康な人(消化・吸収機能に問題のなく、かつカロリー消費機能が以上に亢進していない人)は、特別な物質の力を借りない場合は、 


(摂取カロリー)-{(消費カロリー)+(基礎代謝カロリー)}= ?? 



という式の結果が0を下回らないと痩せません。残酷かも知れませんが、事実です((+_+))。 ですので、この式の結果に影響を与えない(摂取カロリーも消費カロリーも変化させない)『食べる順番ダイエット』は効果がなさそうだなと思いました。


 長くなりましたので次回に続きます。

次回は『反対にして考える』に関して書きます 


今日も、最後までお付き合い頂きありがとうございました。

   理学療法士 倉形裕史