HG 紅蓮聖天八極式 レビュー 2023.08.30 04:12 今回のレビューは、1/35スケール ハイグレード より、“HG 紅蓮聖天八極式” です。 “コードギアス 反逆のルルーシュR2” および “劇場版 コードギアスⅢ 皇道” に登場する黒の騎士団のエース、紅月 カレンが駆る劇中最強の第九世代相当ナイトメアフレーム、“Type-02/F1Z GUREN Type-08 Elements“SEITEN” 紅蓮聖天八極式” が、HGキット化。 プレミアムバンダイ限定で発売されました。 R2の放送からもう15年ですか・・ 同じ大河内一楼氏の脚本作品では、機動戦士ガンダム 水星の魔女が終了間もないところですが、あぁ、似たような展開コードギアスでもあったなぁ。でも今回はこういう解決になるんだ、とか思ったりもして。 コードギアス以外にも過去に脚本を書いた作品へのオマージュもあったのかもしれませんね。 で、コードギアスなんですが、当時はけっこうはまりましたね。 谷口悟郎監督作品では、無限のリヴァイアスやスクライドにもけっこう好きだったんですが、よりエンタメ性が高くなったというか。 シリアスとコミカルの緩急とか、キャラクターの個性、ナイトメアフレーム(KMF)のデザイン、アクションなど、とにかく熱い作品でした。 キャラクターとはまた別に、KMFにおける主役機はブリタニア側のランスロット、そのライバルが黒の騎士団側の紅蓮という雰囲気ではありましたが、2期終盤で主人公であるルルーシュ・ランペルージ(ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア)が黒の騎士団から離脱、さらにブリタニア皇帝となり、ランスロットのデバイサー(パイロット)の柩木 スザクも彼についたことで名実ともにランスロットが主人公機となり、紅蓮はライバル=ラスボスポジションになりました。 そんな紅蓮の、R2時点での最終形、紅蓮聖天八極式が、15年の歳月を経て待望のHGキット化。 アニメ放送当時はあまりKMFのキット化には恵まれなかったコードギアス。 完成品アクションフィギュアシリーズのROBOT魂ではけっこうフォローされていたので、僕もそちらを集めていましたが、やはりプラモよりお高いのでね・・ しかし、仮に当時HGキットが発売されていたとしても、満足できる内容ではなかったかもしれません。 というか、当時の技術では再現しきれなかった気がしますね。 そう思うと15年経った今、プレバン限定とはいえ完全新規型で発売してくれたことはありがたい。 ランスロット・アルビオンの発売から少し間が開いたので、まさかスルーされやしないかと内心不安もあったのですが、さすがにそんなことはなかったですね。 むしろランスロットより紅蓮のほうがキャラ立ちしてるしね。 この調子で蜃気楼もお願いしたい。 それでは、レビューしていきます。 キットはパチ組みに付属のシールを貼ったのみです。パッケージ HG ランスロット・アルビオン同様に描き下ろしのイラスト使ったフルカラーパッケージになっています。 いやぁ、格好いいなぁ。 また、画像は割愛しますが、説明書も同様に片面カラーで、機体解説などもしっかり掲載されています。 ちなみにランスロット・アルビオンよりもかなり厚みのある箱に。 完成させてみると、さもありなんという感じです。 もう一般で出して・・Type-02/F1Z GUREN Type-08 Elements“SEITEN”紅蓮聖天八極式 中華連邦での戦闘で黎 星刻の神虎に敗れ、カレンごとブリタニア軍の手に渡った紅蓮可翔式を、ロイド・アスプルンドとセシル・クルーミーがほぼ趣味で改造した機体。 もともとラクシャータ・チャウラーが開発した紅蓮の基本性能の高さの上にさらに過度なスペック追求で常人には扱えない代物になってしまいました。 結果として第九世代相当のKMFとして完成。 スペック上は純粋な第九世代機であるランスロット・アルビオンを凌駕しています。 第2次トウキョウ決戦においてカレンと共に黒の騎士団に復帰。 初陣でナイトオブテン、ルキアーノ・ブラッドリーのパーシヴァルを撃破。 さらにスザクのランスロット・コンクエスターを大破させています。 なお、聖天八極式という名称は、起動時にディスプレイに表示された “Superlative Extruder Interlocked Technology Exclusive Nexus” という文言の頭文字と、“Elements“SEITEN”” をカレン救出に来ていた篠崎 咲夜子が日本語訳したことに由来しています。 HG ランスロット・アルビオンでも感じましたが、でかいです。 というかアルビオンよりも一回り近く大きいですね。 ちょっと小振りなMGガンプラくらいのボリュームがあります。 もちろん、こちらは1/35なので、スケールを合わせるとMSとが大人と子供以上の差があるわけですが。 コクピットブロックが背面に大きく張り出したシルエットは多くのKMFに共通したものですが、この紅蓮聖天八極式では可翔式への改装された際に装備された飛翔滑走翼の基部がほぼそのまま使用されており、そのためにより後方に鋭角に張り出したスタイルになっています。 さらに鳥類を思わせる華奢なボディにメイン武装となる輻射波動機構を備えた巨大な右腕も相まっての左右非対称となる異形デザインは唯一無二。 聖天八極式ではロイドとセシルの趣味を反映したのでしょう、よりヒロイックというか、派手な意匠が各部に組み込まれていて性能以上に見ためももともとの紅蓮から大きく変化しています。 今回のHGキットではプロポーションが調整され、劇中の印象よりもさらにスタイリッシュな立体化がなされています。 色分けもほぼ成型色で再現。 メインカラーのレッド(明るいほう)とコクピットのオレンジはグロスインジェクション成型でツヤッツヤです。 個人的にはグロスインジェクション、あまり好きではないんですけどね。 傷や指紋が目立つし・・プラ自体もやたら硬くて(主観ですが)、ゲート跡の処理もしにくいので。 でも綺麗なのは確か。 紅蓮のイメージにはぴったりだとは思います。 そんなツヤ感が損なわれるような気がしたので、今回はあえて墨入れはしませんでした。 えぇ。あえてですよ。決して面倒臭かったからではないですよ(笑)。 頭部アップで。 頭頂部に前向きに映えた鶏冠という基本デザインは基型に近いものですが、両頬から後方に伸びる装飾が追加されたことで随分と印象が変わりました。 イケメン具合がぐんと増したといいましょうか、可翔式まではどこか顔付きにモブっぽい雰囲気すらあったのですが、ランスロットと並んでも見劣りしないいい顔になったと思います。 これはセシルの趣味かな? ツインアイはメタリックブルーで色分けされていますが、シールもあります。 鳥の顔を思わせる胸部デザイン。 目のように見えるグリーン部分は奥にシルバーのシールを貼ってからクリアリーンのパーツをはめ込む仕様。 きらきら光って綺麗ですね。 肩間接は前方に引き出し可能。 股関節は下方向に引き出し可能。 腕部接続はボールジョイントで、そのジョイント受けのパーツは斜めに生えた軸で基部と繋がっているのが特徴的です。 ランスロット・アルビオンと同じ機構ですね。 この可動のおかげで印象的な浮遊ポーズが格好よく決まります。 コクピットブロック、そしてエナジーウイングの基部ユニットはそれぞれ取り外し可能。 ただ、取り外した裏側にはとくにディティールはありません。 ランスロット・アルビオンもそうでしたが、コクピットハッチの開閉はできず。 せっかく1/35スケールにしてるのに、もったいないなぁ。 カレンのフィギュアも欲しかったよ。 スタンド用3㎜穴はコクピットブロックの底部にあります。 今回は蓋はなし。 まぁ、普通は見えない位置ですからね。武装・ギミック輻射波動機構 弐式のときから変わらない、紅蓮のメイン武装ですね。 簡単に言うと電子レンジと同じ理屈で、触れたものを加熱、膨張、爆破するという物騒な右手です。 聖天八極式では可翔式で “手甲砲撃右腕部” として性能が底上げされたものをさらに改修、“輻射推進型自在可動有線式右腕部”(長い)となり、もとからの伸縮機構に可翔式で追加されたワイドレンジ照射だけでなく、肘から先を有線制御で射出できるようになったほか、円盤状にして投げる、レーザーのように収束して放つなど多彩な輻射波動砲弾による遠距離攻撃、シールドとしてもハドロンブラスターの直撃にも耐える防御力を獲得。 これまで以上の万能武装となっています。 5本の指(爪)はそれぞれ根元でボールジョイントにより独立可動。 手首も大きく動きます。 手の平中央のマイクロ波照射部にはジュエルシールを使用しています。 腕部は伸縮することで2倍近い長さに。 さらにリード線を使って肘から先の射出状態を再現可能です。 前腕側に取り付けるアタッチメントにはリード線取り付け用のほかにも3㎜穴があり、 適当なスタンドを使ってのディスプレイが可能です。 ワイドレンジ攻撃時のシリンダー(?)の展開はパーツ差し換えで再現。 気円斬(違う)エフェクトも欲しかったですね・・呂号乙型特斬刀 名称はもともとの手持ち武器のままで、形状も大きく変わっていませんが、刀身がメーザーバイブレーションソード(MVS)のそれに変更されており、威力が大幅に向上しています。 刀身はメタリックレッド成型。 カレンの戦闘スタイルなのか、逆手に持つのがデフォルトですが、 普通に順手で持たせることもできます。 ハンドパーツ側にあるダボをグリップの穴にはめて固定する仕様ですが、向きに関係なく固定できます。 また、今回のHGキットオリジナルで腰にマウントできる鞘が付属。 実際に収納はできず、柄のみ外して取り付ける仕様ですが。 ちなみにランナー都合で柄のパーツは2つ付属します。 後端に貼るシールも2つぶんあります。飛燕爪牙 いわゆるスラッシュハーケン。 両肩(胴体と腕の間)に装備。 前方に回し、さらにクロー中央のパーツを差し換え、リード線の使用で射出状態を再現可能。 ちなみにリード線は長いものが1本付属し、右腕用含めて3本に切り分ける必要があります。 こちらは右腕のようにスタンドで支えることはできないので、リード線をあまり長くとるとクローの重みに負けてへたります。エナジーウイング 飛翔滑走翼に代えて装備された飛行用オプション。飛行だけでなくシールドや、さらに無数のエネルギー弾を放つ攻撃手段にもなります。 通常は基部ユニットに沿って後方にたたまれています。 こちらのパーツは1パーツです。 展開は差し換えで再現。 ウイングのエフェクトにはPET素材を使用。 もう横幅がすごいことに・・ アームは3箇所で6方向に可動。 ウイングで機体前面を覆ったマントのような状態も再現できるようになっています。 アルビオンのウイングは根元でしか動かなかったので、この可動の追加はよいですね。ミサイルポッド エナジーウイングの基部ユニットに装備される小型ミサイルポッド。 可翔式から引き継いでいる武装ですね。 ハッチを取り外すことで露出。 一体成型で色分けはされていません。 色が足りなくて気になるのはここくらいかな。高機走駆動輪 いわゆるランドスピナー。 陸上を高速で移動するための装備ですね。 ブリタニア製KMFではほとんどが脛の側面、足首値の位置に外付けされていますが、紅蓮では脛の後ろ側がそのまま展開します。 脛の強度大丈夫なんだろうか? 根元はボールジョイント接続なのでしっかり接地されられますね。 ホイールももちろん回転します。 なお、こちも裏側にはとくにディティールはありません。 比較画像 ROBOT魂版と。 アニメ放送当時から直後あたりに展開していた立体物はこのROBOT魂がメインでしたね。 価格もさることながら、造形が甘い部分もあって、正直物足りないというか、ちょいちょい残念に思うこともあったのですが、まぁ当時は選択肢がなかったからね。 今もそんなにはないけど。 サイズは今回のHGキットのほうがかなり大きいですね。 ROBOT魂版は、とくにスケール表記はなかったはず。 造形、プロポーションもご覧の通り、HGキットのほうがずっとシャープでバランスもよいと思います。 エナジーウイング展開。 ROBOT魂版のウイングは、プラ板切りっ放しみたいな感じで縁がザラザラしてたのがちょっと嫌でした(笑)。HG ランスロット・アルビオンと。 パッと見でも紅蓮のほうがわずかに大きいんですか、背中の張り出しがあるので実際はより大きく感じます。 まさしく、いろいろ付け足していった感が強い。 紅蓮は弐式から弐式甲壱型腕装備、可翔式、そして聖天八極式。ランスロットも初期型からエアキャバルリー、コンクエスター、そしてアルビオンと、ともに3回姿を変えているのですが、紅蓮がずっと同じ機体を改修し続けているのに対し、ランスロットのほうはアルビオンは最初から第九世代機として建造された完全な別機体です。 にもかかわらず、本体は旧式であるはずの紅蓮の魔改造機にスペックでは劣ってしまうという・・ KMFの基本性能を引き出すことに関しては、ロイドよりもラクシャータのほうが上ということかな? ハドロン砲も先に完成させたのはラクシャータだし。 彼女のほうが優秀? エナジーウイング展開。 こうなるともう・・ もう明らかに紅蓮のほうが強いでしょうよ。 HG ランスロット・アルビオン レビュー 以下、画像 可動性は優秀。 ポリキャップレスで可動部はほぼKPS同士の組み合わせですが、保持力は十分。 腕部や脚部付け根の可動域の広さもあって、KMFらしいスタイリッシュなアクションがそこそこ決まります。 まぁ、アルビオン同様、そこそこなんですよね。 ただ紅蓮に関してはランスロット系ほどアクロバティックな動作(あくまで本体の)をしていた印象はないので、これくらいで十分かな、とは思います。 足首の柔軟性はイマイチですが、踵のパーツ含め複数の点で接地できるので自立は安定します。 ランドスピナー展開。 股関節の引き出しと深く曲げられる膝関節のおかげで、ぐっと身を屈めるような前傾姿勢もばっちり。 頭部も首が二重関節になっているので、ある程度目線を合わせやすいです。 ただちょっとボールジョイントの渋みがキツイのと、側面の装飾と襟周りなどが干渉しがちなので動かしづらくはありますね。カ「弾けろブリタニア! 様々な特殊兵器が登場したコードギアスですが、やはりこの輻射波動のインパクトは強烈でした。 エナジーウイング展開。スタンドを使って。 初登場時の圧倒的的な強さときたら・・ しかし、その後のアルビオン登場時もそうでしたが、ナイトオブラウンズって結局咬ませ犬ばっかだったね。 カ「ゼロ!親衛隊隊長 紅月 カレン、ただいまより戦線に復帰します! エナジーウイングで機体を包み、後続でジグザク飛行する様も印象的でした。カ「もう一回、弾けろ! 兵「そんなもの、近付かなければ問題は・・カ「甘いよ! 有線で射出できるようになったことでさらにりリーチが伸び、よりトリッキーな攻撃が可能になった輻射波動機構。 遠近、さらに広域への攻撃、シールドにもなると死角なし。カ「気円斬! 違うよ(笑)。 エフェクトはROBOT魂のものを借りたのですが、小さいのと、あとなんでこんな色にしたんだろうか? ピザ生地伸ばしてるのかな?カ「国でもなければ復讐でもない! 野心の欠片も持っていない! 戦う理由がないヤツは引っ込んでな! ゼロの正体がルルーシュだったこと、そのルルーシュが黒の騎士団を離れ、ブリタニア皇帝として即位したことで状況は大きく変わった・・ でも、黒の騎士団がブリタニアと対立するという構図に変わりはないんですよね。 そして、カレンとスザク・・紅蓮とランスロットが戦うこともまた・・カ「スザク!決着を付けるときがきたようね。あたしたちのすれ違いに! ス「俺とルルーシュにはやらねばならないことがある! 中盤以降はKMFも飛行可能な機体が増え、空中戦が当たり前になったので存在がほぼ空気になってしまいましたが、紅蓮とランスロットのラストバトルは空中要塞ダモクレス上で行われたので、原点に返ったような近接格闘戦も見られましたね。 ス「決めきれない! ギアスの力を使ってなお・・カ「スペックではこっちのほうが上のはずなのに・・ デバイザーの技量とKMFの性能を併せた戦闘力は拮抗している両者。 結果はほぼ相討ちに等しいものでしたが、ランスロット・アルビオンが爆散したのに対し、紅蓮聖天八極式は胴体部は無事だったので、カレンの勝利ということでよいのかな。 まぁ、それもルルーシュとスザクの思惑通りだったのでしょうが。 以上、“HG 紅蓮聖天八極式” でした。 HG ランスロット・アルビオンの発売から1年ほど空きましたが、紅蓮聖天八極式も無事発売。 アニメ放送当時のキットシリーズはヴィンセントで打ちきりとなってしまい、紅蓮も可翔式すら発売されなかったので、実に15年越し。 しかしそのぶん最新フォーマットでのキット化となり、造形やプロポーションの素晴らしさはもちろんのこと、高い可動性と各種武装のギミックで劇中イメージ通りのケレン見たっぷりのアクションの再現が・・まぁまぁ可能(笑)。 でも紅蓮はこんなものでいい気がする。 エナジーウイング展開時の圧倒的な存在感といい、ファンにとっても非常に満足度の高い仕上がりになっていると思います。 とにかく見た目が格好いいです。 ランスロット・アルビオンもよかったですが、この紅蓮聖天八極式はそれ以上だなぁ。 さすがは最強KMF。 まぁ、個人的にデザインが好きというのもあるんですけどね。 あとは蜃気楼を出してくれればいいかな。 もちろん欲を言えばトリスタン以下のラウンズ搭乗機、1期まで遡るならばガウェインとかもHG化してほしいんですけど、さすがに無理だろうし・・ siNと特式はどっちでもいいかな。フレームコート付きなら欲しいけど。 しかし、コードギアスももう15年経つんですね。 15周年でアニメも再放送してましたが、やっぱり面白いや。 円盤も全部持ってるのに、また放送見ちゃったもんね(笑)。 ただ、OPとEDは当時のままのほうがよかったかな。 お色気シーン等のカットは仕方ないとしても。 いまだに関連コンテンツも出ているようで、息の長いシリーズになったものだと思います。 しかしそうなると、なにもかも当時のままとはいかないわけで・・ 劇場版以降の玉城の声もしっくりこなかったけど、それ以上にシュナイゼルの声がなぁ、ちょっと許容できないですね。 同じような感覚を、鋼の錬金術師でも感じたり・・ まぁ、僕はスマホゲームの類いは一切しないので、いいんですけど。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。