できなくていいんだよ
しつけ教室をやっていると、
「うちの仔オスワリしかできないけどいいのかな?・・・」とか、
「うちの仔元気すぎて落ち着きなくて、他の仔はおりこうにしてるのに・・・」とか、
「うちの仔何にでも吠えて・・・」など、
愛犬の悪いところ(直したいところ)が目についてしまい、
飼い主さんが愛犬のしつけに対して自信をなくして(?)いる場合があります。
そんな時、私は、
「何もできなくても人に咬みつかなければ充分いい仔です。」
「落ち着きないのは性格もあるので、しかたないです。」
「吠えるのだって生きものだからあたりまえです。」
とお答えしています。
オスワリは、できるならできた方がいいですが、
オスワリなんかできなくても、落ち着きがなくても、
スキンシップがとれて楽しい日常生活であれば問題ないと思っています。
犬が吠えることにも必ず原因があります。その原因を取り去ったり、避けたり、
生活環境の改善、しつけることなど、なんらかの方法である程度対処できます。
そこでふと思い出したのが、この本です。
この本の中に、こんなことが書いてあります。
『イタリアでは「人はみな、必ず異常な部分を持っている」という考えがあります。
日本では、周りと違うとわかれば、村八分にされるのが一般的です。
ちょっと解釈が違うかもしれませんが(都合のいいように解釈してますが)、
みんな違っているものなんだよ。
(人も、犬も)完璧な生きものなんていないんだよ。
全部できなくてもいいんだよ。
できないこともあるんだよ。
と、自分は解釈しました。
ザックリと「できないことが悪い」みたいな考えを今まで持っていたので、
考え方をちょっと変えるだけで、許せなかった部分も受け入れられるんだと気付かされました。
いろいろ対策して、頑張ってきても希望通りの成果がでないこともあります。そんな時は、できないことを悩むより、「できなくてもいいんだよ」「できないこともあるんだよ」と飼い主さんに安心してもらうことも大切だと思いました。
できないこともあるけれど、できないなりに、別の対策を講じてみることはできるし、
他の部分に目を向けると誇れる部分もあるので、そこは充分に認めることが大切です。
「できなくてもいい」、「できることからやっていけばいい」という言葉を言うだけで、
(しっかりやらなくてはという)プレッシャーから解放される気持ちになります。
楽助のしつけ教室も、「できなくてもいいよ(あなたの良さは分かっているから)」と言葉で発信しつつ、飼い主さんも犬ものびのびと、楽しく気楽にできるしつけを目指して頑張っていきたいと思うのでした。