バレエピアニスト勉強会Vol.7レポート
バレエピアニストへの夢を応援するプロジェクト
🎵バレエピアニスト勉強会🩰
7回目は指揮者の小泉智彦先生をお招きして開催しました。
ダンサー側からの視点で、踊りやすい演奏法については扱ってきましたが、今回は純粋に音楽家としてバレエ音楽をどう表現していくか追求する機会にしたいと思い、企画しました。
今回はコンクールなどと重なり2名の生徒さんの参加になってしまいましたが、その分細かくレッスンしていただきました。
最初は『白鳥の湖のPDD』
ヴァイオリンのソロとハープのデュオの部分です。
なんとなく気分に任せてテンポを揺らしてしまいがちですが、6拍子をきちんと意識した上でその中で伸ばす部分と畳みかける部分の緩急を見つけるようご指摘いただきました。
また、ハープの楽器の特性を意識した左手のアルペジオの演奏法、
ピアノ譜には最小限でしか書かれてない強弱でも、スコアを見ることによってデュナーミクの意味がはっきり理解できることなど、アドバイスいただきました。
2曲目は同じく『白鳥の湖からファンファーレ~花嫁候補のワルツ』
ファンファーレ部分、ピアノ譜では同じスタッカートで書かれてあっても、オケで違う楽器で書かれてある場合は音の質も変えなければいけないので、同じフレーズ内にある【弦楽器のピチカートのスタッカート】【クラリネットで吹くスタッカート】の弾き分けを細かくレッスンしてもらいました。
先生のお話の中で特に興味深かったのが
ロシアの音楽の特性には2つの面があって、
粗野で力強くて激しい面
繊細でロマンチックな美しさ
その両方の性質をうまく表現できるとよいと伺い、センチメンタルな部分ばかりに目がいきがちですが、もう一方との対比を出せれば更にチャイコフスキーの音楽、ストレートに人間の感情に訴える部分が出せるのではと感じました。
3曲目は『ドン・キホーテのドリアードのVa.』
こちらはチャイコフスキーの音楽と違って、バレエ寄りの音楽で単調に演奏しがちになってしまいますが、その中でどう音楽的に演奏するかのコツを丁寧にレッスンして頂きました。
細かく楽譜には書かれていないけれど、オケで演奏している楽器を考えると見えてくる自然なフレージング。
「自然に…」が意外と難しいですが、これはクラスレッスンでも使える考え方だなと思いました。
レッスンとは別に、質問にもたくさん答えていただいて、
・指揮科のレッスンとは?
・指揮者の耳
・棒の振り方
・楽団員を一つにまとめるには?
など、普段あまり関わることの少ない指揮者の方が、どう勉強されているのか、貴重なお話を伺うことができました。
バレエピアニストは楽譜のないレッスンピアニストとしての側面と、スコアをリスペクトとしてダンサーをリードするリハーサルピアニストとしての2つの側面を持たなければならず、本当に労力のいる仕事ですが、私がバレエピアニストとして活動していて思うのは、働きながら自分の大切な存在である音楽をずっと勉強していけるところ、新たな発見を毎日でき、オールマイティーに対応するためのバランス感覚が身につくところが、バレエピアニストの魅力だと思います。
なので、ぜひバレエピアニストを志す方には、諦めずに粘り粘り粘り強く✨学び続けていってほしいです。
小泉智彦先生、本当にどうもありがとうございました!!