皮膚炎
皮膚炎の患者さんは、結構来院されます。
アレルギーってホントに不思議な病気だな~っていつも思うのですが、なぜ当院を選んでくれるのかはわかりませんが、今までの実績なんじゃないかなぁ~って思ってます。
一口に皮膚炎と言っても様々ですね。
噂を聞いて来たけど効果がないと一回であきらめる人も確かにいます。
しかし、そもそも皮膚ってそんなにすぐに再生するものではありません。
なので現状を理解してもらうために事前チェックは必ず行います。
治療前に皮膚の緊張をチェックし、治療後に再度チェックします。
もちろん関節や筋肉の緊張もチェックします。
治療後に皮膚がユルユルになって血流が良くなっているので効果は期待できるでしょう。
ただ時間のかかるものですから元の状態には戻りやすく根気よく調整していかなければなりません。
そして精神的なことも考慮していかないといけないのがアレルギー疾患の特長です。
皮膚炎にはステロイドはよく効きます。
見た目も綺麗になって痒みも少なくなったりします。
これは確かに即効性があります。
ちょっと塗って、そのまま出なくなることもあるのでステロイドの効果は否定できません。
しかし、同時に副作用もあるし、効果が長続きしないということもあります。
だから効かないとは思ってませんが、塗っても良くならないとか直ぐに元に戻るという場合は、ステロイドの効果はないか害にもなりえるので違う方法を考えた方が良いですね。
特に問題になるのは肉体的もそうですが、精神的依存でしょうね。
これはかなり大きいです。
当院に来るような患者さんは、様々なことを経験してからくるので、そういうことはよくわかっている人が殆どです。
ステロイドはどうですか?
と聞かれることもありますが、私は我慢しないで塗りたい時は塗ってくださいと言います。
強情にステロイドを否定することは精神的にも逆効果です。
ただ依存しているということだけは自覚していなくてはなりません。
そうでないとやめられる状況になってもやめられません。
痒みが我慢できないからステロイドに依存してます。
とハッキリ自分自身の身体に言い聞かせることが大事ですね。
身体自身には嘘をつかないで自覚してもらうってことが大事です。
弱い自分も認めて自覚する。
それを脳に刻むってことです。
でも弱い自分を克服しなければとは思うと逆効果です!!
ただ認める。
依存してるのに依存していないと嘘をつくと結果的に依存が強くなります。
だから否定しない。
また治療者側はステロイドは副作用もあるからという正論だけを言ったところで絶対にうまくいきません。
口ではそうですね。
と言っていても必ず心の中は反発しています。
そんなことより身体の状態がどうなっているのかをハッキリさせることです。
だから身体全身の観察はとても大事です。
こういう患者さんには手足から体幹、お腹、顏首等をしっかり観察します。
圧痛や動きの悪いところを徹底的に自覚してもらうのです。
自分はこういうところがこんなふうに悪いんだと自覚してもらう訳です。
あますところなく自覚してもらうというのは精神的に安定してきます。
肉体と精神は切り離して考えてはいけません。
だからこそ技術だけではないし、ましてや学問や理論だけでは到底うまくいかないのです。
心と身体は常に連動しています。
心に偏りがあるから身体も緊張している訳です。
それなら身体を徹底的に観察することから行います。
皮膚炎が良くなるのには時間がかかります。
急激に良くなるという場合も確かにありますが、それは問題が単純だったからです。
そんな経験だけで皮膚炎を治したと思い込む治療家は経験不足です。
長くかかる症状は、長くかからなければなりません。
この意味わかりますか?
早く治ってはいけないのです。
何故なら長くかかる間に色んなことに気づいてもらえるからです。
病気はそれに気づく為にあるものですから邪魔してはいけないというのが一番です。
自分の身体のことや精神面を頭ではなく身体で理解することがとてもとても大事なのです。
それを気づかせることが私達の仕事で自然治癒させる大きな第一歩です。
そのことを知らずに技術に走る治療家は、技術に溺ることになります。
それでは本末転倒です。
自覚なくして治癒はなし!!
ですね。