真っ白なものに描く怖さ
先日、ゼンタングルではない絵を教えるイベントを行いました。
子ども中心のイベントで5歳~中学生とその保護者の方を対象に合計50名くらいの皆様に描いてもらいました。
夏の思い出を自由に描いてくださいね!という会だったんですがこれが難しい。。
自由に!というと何をどう描いたらいいかわからない、という方が多かったです。
とっても楽しんで最後ハイタッチして帰っていった子もいれば、
描けない…と固まって最後泣いてしまった子も。
泣いてしまった子は大根を描きたかったみたいで、
「大根って何色かな?」
「こんな感じで葉っぱが生えてるよね?」
と誘導してもダメ。しばらくそっとしてもダメ。
「ほら、ここに大根の絵があるよ。真似したらどう?」と言ってもダメでした。
どうやらまっさらな紙に描くのが
「間違ったらどうしよう…」というのが怖くて描きだせなかったようでした。
その子には楽しんでもらえず、どうしたらよかったんだろう、と今も反省しています。
ゼンタングルの良いところの1つに、ストリングがあります。
ストリングとは、ゼンタングルを描き始める際に鉛筆で描く補助線のこと。
ストリングを使わない、全くまっさらな状態から始めることもありですが、基本のゼンタングルはストリングを描き、それに沿って描き進めます。
何も描いてない紙にいきなり描くのは勇気がいりますが、ストリングをあらかじめ描いていると、ペンで描くハードルが下がる。
それを続けていくと「描く」ことに慣れて、自由に描けるようになるのです。
こちらは染色したタイル。
ストリングではなく、染色の線に沿って描きました。
ゼンタングルはいきなり描くのではなく、ストリングを元に描いていくので、
「描くのが苦手」
「絵なんて描けない」
そんな方のハードルをぐっと下げてくれる素敵なアートだ、と改めて思いました。